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未来航海フォーラム

地域共創ネットワーク 未来航海フォーラムVol.2 地域金融機関は地域の投資銀行になれるか。

地域金融機関は、地域の投資銀行になれるか

今般の米国発の金融危機の問題の本質は、「貸したら逃げる」投融資といえるのではないでしょうか。
証券化をはじめとしたリスク分散の手法は、それが進むほど、肝心な債権者と債務者の関係の基盤を崩してしまったといえます。
また、金融技術が可能にした「将来の利益の現在における実現」をもとに、目先の利益を追いすぎたことも、やはり問題だったのではないでしょうか。
債権者と債務者の関係が希薄になる中では、「他人の犠牲を前提とした利益の追求」に傾きがちになり、そのような金融利益やそれがもたらす経済成長は、結局は長続きしないということを再認識させられたところです。


本来、債権者が資金供与先の債務者に相応の関わりを持つことは、当然行うべき責務ともいえます。
行き過ぎた「手離す金融」ではなく、「持ち続ける金融」においては、多様な価値を評価し、その価値を一緒に高めていく。「逃げない金融機関」としての機能をどのように拡充していくか、今それが問われています。
その中で、「融資を創出する投資」というものもあり、新たな投資銀行の姿も生まれてくると考えられます。


日本の地域金融機関には、その地域の預金に支えられた、大いなる強みがあります。「長い時間軸」と「資金の出し手と受け手の関係」を重視する、金融の原点に立ち戻り、日本の地域金融機関の今後の役割を考える機会として、ご参加いただければ幸いです。

地域共創ネットワーク代表取締役 坂本忠弘

基調講演
西澤宏繁氏

企業再生支援機構と金融の原点

西澤宏繁氏

地域経済や地元企業の再生と活性に、金融機関はどのように関わることができるのか、資金供与だけではなく、経営支援力や事業支援力を、十分発揮しているか。 いま一度考える。企業や産業を支える金融機関に期待されることについて、お話いただきます。
特別講演
朝倉陽保氏

産業革新機構がめざす新たな投資

朝倉陽保氏

日本の国内の様々な優れた経営資源を、産業や組織の枠を超えて集める、「開かれた企業成長」への投資、そして、経営参加型の支援を通じた投資先の価値向上への取り組みについて、地域にねざした企業成長という観点での可能性を含めて、お話いただきます。
パネルディスカッション

いま必要とされる、新たな投資銀行像

町田 睿氏/石井 歓氏/野田純一氏/池田憲人氏/森本紀行/コーディネーター:坂本忠弘

融資と投資、その間にあるもの。金融の「デザイン力」と「関わり力」について、また地域のポテンシャルを活かす地域産業策への関わりについて、多様な資金供与の手法や経営支援・事業支援の事例を踏まえながら、今後の金融機関の姿と役割を考えていきます。
講師・パネリスト 略歴
西澤宏繁 東京都民銀行 顧問 日本・東京商工会議所 特別顧問、税制委員長 (企業再生支援機構 代表取締役社長 就任予定)
滋賀県出身。京都大学経済学部卒。日本興業銀行に入行後、様々な企業の融資等に関わり、取締役名古屋支店長、代表取締役常務を歴任。1997年、東京都民銀行へ、同年、代表取締役頭取に就任。2004年代表取締役会長、2008年相談役、2009年顧問。日本・東京商工会議所特別顧問、税制委員長としても、中堅・中小企業の経営体質強化に取り組む。2009年、企業再生支援機構の発足とともに、代表取締役社長に就任予定。
朝倉陽保 産業革新機構 専務取締役COO

東京都出身。慶応義塾大学工学部卒。ハーバード・ビジネススクールにてMBA取得。1984年から1999年まで、三菱商事に在籍。情報産業部門等において、多数の分野の事業開発や事業投資に従事し、投資先経営にも参画。その後、カーライル・グループ等で、バイアウト及びグロース・キャピタル投資担当の責任者として活躍。2009年7月、産業革新機構の専務取締役COOに就任。

町田 睿 荘内銀行 取締役会議長
秋田県出身。富士銀行入行後、市場開発部長、総合企画部長、常務取締役を歴任。1994年、荘内銀行へ。取締役副頭取、1995年より取締役頭取、2008年6月より取締役会議長。2009年10月、北都銀行との経営統合によりフィデアホールディングスを設立し、同社取締役会議長に就任予定。
石井 歓 日本政策投資銀行 常務執行役員

東京都出身。日本開発銀行入行後、基幹交通部副長、財務部次長、日本政策投資銀行財務部長、プロジェクトファイナンス部長、審査部長、九州支店長、2008年6月、理事。同年10月の株式会社への移行とともに、常務執行役員に就任。

野田純一 浜松信用金庫 理事
愛知県出身。東京銀行入行後、米国シアトル支店、丸ノ内支店、名古屋伏見営業部等を経て、東京三菱銀行の系列のタイの金融会社の社長を歴任。2004年、浜松信用金庫に入庫。リスク統括部長、2006年6月、理事に就任。
池田憲人 A.T.カーニー 特別顧問
神奈川県出身。横浜銀行入行後、取締役融資管理部長、取締役総合企画部長、常務取締役、代表取締役(CFO最高財務責任者)、代表取締役(CPO最高人事責任者)を経て、取締役兼横浜キャピタル代表取締役会長。2003年、足利銀行頭取、2004年、同行代表執行役。2008年9月、A.T.カーニー特別顧問に就任。
森本紀行 HCアセットマネジメント 代表取締役社長
北海道出身。東京大学文学部哲学科卒。ファンドマネージャーとして三井生命の年金資産運用業務を経験したのち、ワトソンワイアットにて、日本初の事業として、企業年金基金等の機関投資家向けのコンサルティング事業を立ち上げる。年金資産運用の自由化の中で、新しい投資のアイデアを次々に導入して業容を拡大。2002年に、HCアセットマネジメント株式会社を設立、全世界の投資タレントを発掘して運用委託するという、全く新しいタイプの資産運用事業を始める。
坂本忠弘 地域共創ネットワーク 代表取締役
奈良県出身。東京大学法学部卒。大蔵省入省後、財務省主計局、金融庁監督局、金融担当副大臣秘書官等を担当。霞が関在職時より、金融分野を中心にCSRを推進する動きや地域金融・中小企業金融の新たな動きに関わり、また、自治体の予算改善・地域活性化の支援や社会起業家との協働などを行う。2007年に、地域共創ネットワーク株式会社を設立、地域金融機関の新たな融資・投資のソリューションの提供、地域資源を活かした事業活動の支援等に取り組む。