2010/04/14開催 HC資産運用セミナーvol.028 セミナーレポート
HCセミナー
◆セミナーのまとめ◆
◆事業キャッシュフローとキャピタル・ストラクチャ
キャピタル・ストラクチャは、企業が事業活動を通じて生み出したキャッシュフローを、リスク特性に応じて投資家に再配分する仕組みであり、法律上の権利の区分です。具体的には、株式と債務、およびその中間的性格のもの(メザニン)の組合せになります。
◆投資の原点は事業キャッシュフローへの投資
ある企業の事業自体に投資価値(事業キャッシュフローの現在価値)がないならば、その株式も、社債も、その企業への融資も、投資価値がないはずです。株式か社債か融資か、というキャピタル・ストラクチャ選択の前に、投資対象としての事業価値に関する判断が先行するというのが、本来の投資のあり方であったはずです。
◆事業価値とキャピタル・ストラクチャ価値
事業価値が、ネット事業キャッシュフローの現在価値であるならば、その再配分の仕組みに過ぎないキャピタル・ストラクチャを工夫することによっては、事業価値は、本質的には変り得ません。キャピタル・ストラクチャの多様化は、リスクの細分化であり、投資家の選択肢の拡大を意味するにすぎません。
◆金融の社会的機能の制度的分業化
金融の社会的機能については、歴史的に、制度的分業化が行われてきました。その結果、投資も分業化が進み、株式・社債(債券一般)は資本市場を経由した資産運用業の対象となり、さらに、その中でも、株式と債券は別の対象というように、専門性に応じた細分化が進みました。一方、融資は銀行業の対象となり、信用供与という同質性よりも、制度的枠組みの差が優越するようになりました。その結果、投資は、一つのキャピタル・ストラクチャの中での選択へと、閉じ込められていきます。
◆投資銀行業務の解体と再統合、そして?
企業(事業)金融の総合サービスとしての投資銀行業は、歴史的な分業化により解体へ向かい、資本市場を中心とした業務へ特化していきます。その後、自己勘定取引・投資や資産流動化事業を通じて、解体した金融サービスを、再び新しい形に統合していきます。不幸にして、それが金融危機の原因を作ります。そして、今、統合か解体か、歴史的転換点に立っているのです。
◆規制を受けない「ファンド」という投資銀行の登場
投資銀行の変容とともに、ファンド(プライベートエクイティ等)という、規制の外で、企業(事業)金融の総合サービスを展開できる業態が、急激に拡大してきました。キャピタル・ストラクチャ全体をカバーできる投資です。ここに、再び、投資の原点への回帰が見られるのです。
◆キャピタル・ストラクチャの多様化
キャピタル・ストラクチャの設計においては、様々な種類の債務・メザニン・株式の組合せが進行し、高度に多様化・複雑化してきています。投資家の立場から見れば、投資対象の選択肢が増えているのです。
◆ファンドの積極的な資産創出機能
企業再編等においては、ファンドが直接に企業等から株式やメザニンなどを引き受け、また融資等を実行します。ファンドが投資銀行機能を果たし、融資も行うという意味では、銀行機能すら果たしているのです。
◆アセット・ファイアンスによる資産創出
資金調達には、債務や資本を増やす伝統的方法と、資産を売ることによる調達(アセット・ファイナンス)があります。アセット・ファイナンスによる資産売却は、資金調達が目的であることを明確にするために、「売却」ではなく「流動化」と呼ばれます。流動化に際しては、ファンドの利用(即ちファンドへの資産売却)がよく見られます。これらのファンドに代表される流動化商品の発展は、投資対象の拡大を意味しています。
◆ファンドのキャピタル・ストラクチャ
アセット・ファイナンスから生まれたファンドにも、複雑なキャピタル・ストラクチャを導入することがあります。
キャピタル・ストラクチャは、企業が事業活動を通じて生み出したキャッシュフローを、リスク特性に応じて投資家に再配分する仕組みであり、法律上の権利の区分です。具体的には、株式と債務、およびその中間的性格のもの(メザニン)の組合せになります。
◆投資の原点は事業キャッシュフローへの投資
ある企業の事業自体に投資価値(事業キャッシュフローの現在価値)がないならば、その株式も、社債も、その企業への融資も、投資価値がないはずです。株式か社債か融資か、というキャピタル・ストラクチャ選択の前に、投資対象としての事業価値に関する判断が先行するというのが、本来の投資のあり方であったはずです。
◆事業価値とキャピタル・ストラクチャ価値
事業価値が、ネット事業キャッシュフローの現在価値であるならば、その再配分の仕組みに過ぎないキャピタル・ストラクチャを工夫することによっては、事業価値は、本質的には変り得ません。キャピタル・ストラクチャの多様化は、リスクの細分化であり、投資家の選択肢の拡大を意味するにすぎません。
◆金融の社会的機能の制度的分業化
金融の社会的機能については、歴史的に、制度的分業化が行われてきました。その結果、投資も分業化が進み、株式・社債(債券一般)は資本市場を経由した資産運用業の対象となり、さらに、その中でも、株式と債券は別の対象というように、専門性に応じた細分化が進みました。一方、融資は銀行業の対象となり、信用供与という同質性よりも、制度的枠組みの差が優越するようになりました。その結果、投資は、一つのキャピタル・ストラクチャの中での選択へと、閉じ込められていきます。
◆投資銀行業務の解体と再統合、そして?
企業(事業)金融の総合サービスとしての投資銀行業は、歴史的な分業化により解体へ向かい、資本市場を中心とした業務へ特化していきます。その後、自己勘定取引・投資や資産流動化事業を通じて、解体した金融サービスを、再び新しい形に統合していきます。不幸にして、それが金融危機の原因を作ります。そして、今、統合か解体か、歴史的転換点に立っているのです。
◆規制を受けない「ファンド」という投資銀行の登場
投資銀行の変容とともに、ファンド(プライベートエクイティ等)という、規制の外で、企業(事業)金融の総合サービスを展開できる業態が、急激に拡大してきました。キャピタル・ストラクチャ全体をカバーできる投資です。ここに、再び、投資の原点への回帰が見られるのです。
◆キャピタル・ストラクチャの多様化
キャピタル・ストラクチャの設計においては、様々な種類の債務・メザニン・株式の組合せが進行し、高度に多様化・複雑化してきています。投資家の立場から見れば、投資対象の選択肢が増えているのです。
◆ファンドの積極的な資産創出機能
企業再編等においては、ファンドが直接に企業等から株式やメザニンなどを引き受け、また融資等を実行します。ファンドが投資銀行機能を果たし、融資も行うという意味では、銀行機能すら果たしているのです。
◆アセット・ファイアンスによる資産創出
資金調達には、債務や資本を増やす伝統的方法と、資産を売ることによる調達(アセット・ファイナンス)があります。アセット・ファイナンスによる資産売却は、資金調達が目的であることを明確にするために、「売却」ではなく「流動化」と呼ばれます。流動化に際しては、ファンドの利用(即ちファンドへの資産売却)がよく見られます。これらのファンドに代表される流動化商品の発展は、投資対象の拡大を意味しています。
◆ファンドのキャピタル・ストラクチャ
アセット・ファイナンスから生まれたファンドにも、複雑なキャピタル・ストラクチャを導入することがあります。
次回、2010年 第5回HC資産運用セミナーは『債券運用におけるニッチな投資領域の魅力』です。
是非とも皆様のご参加をお待ちしております。
なお、本セミナーで実施致しました「セミナーテーマに関するアンケート」の結果に関しましては、
「HCセミナー・アンケートレポート」にて公表予定です。
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