戦場の人間学

戦場の人間学

著者 柘植久慶
出版社 集英社
発行日 1990/08
本書では、「生き残る兵士と死ぬ兵士の違い」を次のようにまとめてあります。
 死にやすい兵士とは、自ら豪傑を気取る奴、好奇心の旺盛すぎる奴、注意力散漫な奴、ドジな奴、臆病な奴。こういった連中は戦闘の中で心理的な余裕がなく、自分勝手であり、自らが命を落とすだけでなく、攻撃面でも防御面でも部隊の他のメンバーにまで迷惑を及ぼす危険性がある。
 死なない兵士とは、慎重な奴、勘の抜群によい奴、負傷しても積極的な思考のできる奴。常に死に直面していることを意識して、不用意な行動は一切せず、正確な状況判断を下すことが重要になってくる。また生き残るには平静な心を保とうとするだけでなく、絶対に死なないというほどのアドレナリンの分泌を盛んにすることが肝心。
 結局、死ぬ兵士とは、運も悪く、ガサツで、「死ぬんだろうな」などと弱気だったり、血の気だけ多くて冷静になれない連中。生き残る兵士とは、強運とバランス感覚をもち、心理的にも強く、生きることに積極的で死の恐怖を克服できる連中。
 これをマーケットで勝つ奴と負ける奴に置き換えると、非常に納得します。


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この本を紹介した人

武 英松

エピックパートナーズインベストメンツ株式会社代表取締役

1994年東京工業大学修士課程修了。日興證券株式会社に入社。運用開発部においてデリバティブトレーディング、CB のマーケットメイク等を経て95年から自己売買にも従事。主戦略はペアトレーディング。1999年より、現在の日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社の前身である投資運用部に配属。自己売買の他、ファンド投資、ベンチャー キャピタル業務にも携わる。2000年に日興證券を退職。同年UBS証券に入社。引き続きペアトレーディングを主戦略に、日興證券時代も含めた96年よりおよそ10年間安定的な投資収益を築き続ける。05年にUBS証券を退職。05年8月エピック・パートナーズ・インベストメンツ株式会社代表取締役に就任。