小山氏は、極めて鋭くも、アートの市場が商品の市場ではなく、作品の市場であることを洞察されています。商品としてのアートの市場は、投機の対象となって壊れてしまうかもしれない。しかし、作品としてのアートの市場は、決して壊れない。この点を、あの有名なウォーホルの作品を例にして解説してくださっています。実に、わかりやすい。
「作品のマーケット」を作ること(「作品をマーケットに残す」という、ちょっと素敵な表現も使われていますが)を、小山氏はギャラリストの使命であるとされています。こういう品格ある(故に社会性がある)ビジネスは、投資価値があるのだと思います。そして、このようなビジネスから市場に送り出されるアートにも投資価値があるのです。投機対象の商品としてのアート、投資対象の作品としてのアート、全く似て非なるものというべきです。
関連コラム「投資機会としての現代アート」はこちら
「作品のマーケット」を作ること(「作品をマーケットに残す」という、ちょっと素敵な表現も使われていますが)を、小山氏はギャラリストの使命であるとされています。こういう品格ある(故に社会性がある)ビジネスは、投資価値があるのだと思います。そして、このようなビジネスから市場に送り出されるアートにも投資価値があるのです。投機対象の商品としてのアート、投資対象の作品としてのアート、全く似て非なるものというべきです。
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この本を紹介した人
森本 紀行
HCアセットマネジメント株式会社代表取締役社長
東京大学文学部哲学科卒業。ファンドマネジャーとして三井生命(現大樹生命)の年金資産運用業務を経験したのち、1990年1月ワイアット(現ウィリス・タワーズワトソン)に入社。日本初の事業として、企業年金基金等の機関投資家向け投資コンサルティング事業を立ち上げる。年金資産運用の自由化の中で、新しい投資のアイディアを次々に導入して、業容を拡大する。2002年11月、HCアセットマネジメントを設立、全世界の投資のタレントを発掘して運用委託するという、全く新しいタイプの資産運用事業を始める。