美術骨董品投資の秘訣

著者 三宅久之助
出版社 実業之日本社
発行日 1953
 実のところ、怪しい本なのかな、と思って買ったのですが、サッと目を通したところ、これがよく書けています。うれしい驚きです。感心するのは、美術骨董品が、投資対象として有価証券等と異なる点を分析し、一点一点が異なっていて一般的・客観的価格の標準がないこと、および「子(利息、配当、地代、賃貸料等)を生まない点」の二点を挙げていることです。極めて理論的な整理です。『切手でもうける本』には、このような理論的分析が全くなかった。そこが、あの本の怪しいところだったのですが、こちらの場合は、子を産まないものが、どうしたら投資価値を生み得るのか、という視点で書かれています。

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この本を紹介した人

森本 紀行

HCアセットマネジメント株式会社代表取締役社長

東京大学文学部哲学科卒業。ファンドマネジャーとして三井生命(現大樹生命)の年金資産運用業務を経験したのち、1990年1月ワイアット(現ウィリス・タワーズワトソン)に入社。日本初の事業として、企業年金基金等の機関投資家向け投資コンサルティング事業を立ち上げる。年金資産運用の自由化の中で、新しい投資のアイディアを次々に導入して、業容を拡大する。2002年11月、HCアセットマネジメントを設立、全世界の投資のタレントを発掘して運用委託するという、全く新しいタイプの資産運用事業を始める。