さまざまな事柄において、判断基準として多数決が用いられることがありますが、その結果が本当に妥当なのか、改めて考え直すきっかけになる一冊です。本書はコンドルセやボルダなど、選択理論の主要な議論と歴史的背景だけでなく、陪審定理をはじめ数学的な定理も解説されており、一見難解です。しかし、入門編として、あまり専門的な知識がなくても理解できるよう書かれていると思います。投票など身近なところと関わりのある内容なので歴史、議論の部分だけでも興味深いです。どのような場合に多数決が機能しなくなるのかといった問いに興味がある方は特におすすめします。
この本を紹介した人
岸野 大輝
HCアセットマネジメント株式会社投資運用機能
2022年にHCアセットマネジメント株式会社に新卒で入社。現在はリサーチ、執行、投資信託関連に従事。趣味は登山・ハイキングなど。