チェコの経済学者トマーシュ・セドラチェクによる、経済学を道徳・倫理、そして文化的な視点から再考し、現代経済学への警鐘を鳴らした批判書かつ経済の歴史書です。従来の経済学が見逃しがちな「人間の価値観」や「社会的な善悪」に焦点を当て、経済のあり方を哲学的に深く掘り下げます。古代の神話から現代の資本主義に至る経済学の発展をたどり、経済活動が単なる数字や効率の問題だけでなく、物語、神話、哲学など人間の根本的な価値観と結びついていることを強調します。
本書で特に印象的なのは、経済学が「成長」を絶対的な目標として崇拝し、その影響を軽視しているという批判です。成長が加速するほど持続不可能な開発や環境への負担が増大し、社会全体が歪んでしまうことを警告し、人間的な価値観と倫理に基づく持続可能な経済活動を目指すべきだと主張します。自分の携わる投資運用業に置き換えても、利益追求だけでなく、社会的・環境的な影響や倫理的な側面を考慮する重要性を感じさせる内容です。
本書で特に印象的なのは、経済学が「成長」を絶対的な目標として崇拝し、その影響を軽視しているという批判です。成長が加速するほど持続不可能な開発や環境への負担が増大し、社会全体が歪んでしまうことを警告し、人間的な価値観と倫理に基づく持続可能な経済活動を目指すべきだと主張します。自分の携わる投資運用業に置き換えても、利益追求だけでなく、社会的・環境的な影響や倫理的な側面を考慮する重要性を感じさせる内容です。
この本を紹介した人
加藤 浩人
HCアセットマネジメント株式会社投資運用機能所属
2020年にHCアセットマネジメント株式会社に新卒で入社。現在はアナリストとして主に投資機会の調査やファンドの選定・モニタリング業務に従事。