逆転交渉術 : まずは「ノー」を引き出せ

　本書では、24年間FBIで人質交渉人として活躍した著者が、実践的な交渉術を教えます。多くの人は人質交渉に関わる機会はありません。あってほしくないとも思うでしょう。対して著者は言います。「人生は交渉である」と。つまり欲しいモノや結果があるとき、必ず相手がおり、相手がいる限り、交渉があるため、日常は交渉で溢れているということです。

　特に本書の面白さは、「交渉」の持つイメージを次々と覆していくところにあります。例えば真の交渉とは、無理に要求を吞ませることなくWin-Winになることだというのです。さらに提案は、相手に断らせろといいます。「ノー」こそが、スタート地点だというのです。どれも私にとっては衝撃でした。しかし最後には深い納得が待っています。もし少しでも日常の交渉を上手にこなし、円滑でより良い人間関係を築きたいと思う方は、一度ぜひ本書を手に取ってみてください。