JR三島会社というのは、旧日本国有鉄道を解体したときにできた、北海道、四国、九州の三つの島(三島、「さんとう」です)の会社のことですね。
そうです。本州を三分割して生まれた、東日本、東海、西日本のJR各社は、完全民営化が完了し、いまでは、立派な上場企業ですが、JR北海道、JR九州、JR四国のJR三島会社は、依然として、収支の均衡すら実現できないでいます。つまり、赤字経営を続けているのです。その穴をうめるのが、経営安定基金の仕組みです。今回は、そのからくりを論じてみようと思うのです。
最初に、経営安定基金とは何でしょうか。
実は、JR三島会社の経営安定基金を論じるのは、今回で二回目です。2009年7月23日の論考「JR三島会社の経営安定基金と大学財団」のなかで、仕組みを詳しく説明しておきましたので、参照していただければ幸いです。
JR三島会社(およびJR貨物を加えた4社)は、旧日本国有鉄道解体後、現在では、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構という長い名前の法人(鉄道・運輸機構と略称される)が株式の100%を所有する、一応は、民間の株式会社なのですが、実態は政府系の特殊法人です。
JR三島会社の経営安定基金は、会社発足時に、営業収支が合っていない部分、つまり赤字になる部分を、資産運用収益で埋め合わせる目的で創設された基金です。金額は、JR北海道6822億円、JR九州3877億円、JR四国2082億円です。合計すると、1兆2781億円という膨大なものであります。実際のところ、現在でも、3社の鉄道事業の営業収支は赤字であって、この経営安定基金からの運用収益で、かろうじて経営を維持しているというのが、実状です。
JR三島会社にとって、経営安定基金は、どの程度の重みをもつものでしょうか。
ひとつの指標として、貸借対照表の総額(単体)に対する経営安定基金の額を見たらいいと思います。この数字、JR北海道とJR四国では、70%近くであるのに対し、JR九州では、約40%となっています。JR九州は、やや依存度が低いといえそうです。
収益に対する関係では、どうでしょうか。
JR北海道とJR四国の場合は、経営安定基金からの運用収益が、ちょうど、鉄道事業の営業損失を埋め合わせるかたちになっています。主として鉄道事業で構成される単体の数字を見ると、JR北海道は、ここ数年、250億円前後の営業赤字を続けています。それに対して、経営安定基金の運用収益は、240億円程度で推移していて、ちょうど営業損失を埋めています。JR四国も似たようなもので、こちらは、90億円くらいの営業赤字がでているのですが、経営安定基金の運用収益のほうも80億円くらいあって、相殺する状態を続けています。
一方、JR九州は、この二社に比べると、経営状態がいいのです。2009年3月期には営業黒字を計上しているほどで、前年度は32億円、前々年度は25億円の営業赤字にとどまっています。一方、JR九州の経営安定基金の運用収益は110億円くらいで推移しているので、実は、損失を埋めて余るほどの利益になっているのです。
なお、これらの数字は、全て、単体のものです。ご存じの通り、各社とも、たくさんの関連企業を有していて、連結の経営規模は、鉄道事業の倍以上もあるのです。連結での収支は、鉄道を中核とした本体単体のものよりは、多少はいいのですが、鉄道事業だけについていうと、経営安定基金抜きでは、成り立たないのが実情です。
JR三島会社とまとめていっていますが、JR九州は、少し事情が違うようですね。
そうですね。JR九州は、経営的に、少し異色なのでしょうね。実のところ、鉄道事業だけについてみると、依然として、経営安定基金を必要とするほどに、収支はよくないのです。それを埋めているのが、鉄道事業以外の事業収支です。JR九州は、本体でも、鉄道事業以外の新規事業への進出を行っていて、事実、それなりの結果をだしています。子会社を通じた多角化は、もちろん、積極的に展開しています。
つまり、JR九州の場合は、鉄道事業自体の収支改善を図りつつ、それでも生じる鉄道事業の損失を多角化分野の黒字で埋める体質へと、進化しているのです。こうなれば、経営安定基金への依存体質からの脱却も、遠くない将来に可能なのかもしれません。そして、鉄道事業についても、新幹線の開通に伴う事業拡大に、期待がかかっているようです。
それに対して、JR北海道とJR四国は、本体では、鉄道事業以外の事業をあまり行っておらず、子会社を通じた多角化分野の収益力も高くはないようで、本業の鉄道事業も、成長戦略を欠いていて、赤字体質からの脱却には、ほど遠いようにみえます。現状、経営安定基金は、どうしても必要なもののようです。
ところで、経営安定基金は、どのようにして運用されているのでしょうか。
そこのところが、今回の論考の本題です。まず、簡単に割り算してみましょうか。例えば、前年度のJR北海道の決算。経営安定基金の残高6822億円に対して、運用収益は、241億円です。利回りは3.5%ですよね。かなり高いでしょう。しかも、ここ三年、同じくらいの実績で、その前の数年間は、4%台の実績でした。驚くべき好成績です。
このJR北海道の運用実績は、もしも、資金が債券等の確定利付きの投資対象に運用されているとしたら、日本の金利水準からすれば、達成不可能な実績です。株式や外国債券などに運用されているとしたら、水準はともかくとして、毎年度同じような数字をだし続けることは、やはり不可能です。あり得ない実績であるわけです。
程度の差こそありますが、経営安定基金の運用実績は、各社とも、異常に高い。不自然に高すぎて、かつ不自然に安定しています。ここ三年の実績でみると、JR四国は、JR北海道よりも高めに推移していて、3.7%くらいです。JR九州は、低めで、3.0%くらいです。いずれにしても、各社とも、普通の方法で運用されていないことは、全くもって、明らかです。
からくりがあるのですね。
そうです。「経営安定基金の機能維持策」というからくりです。
もともと、経営安定基金は、積極的に運用されて投資収益をあげることなど、目的にしていません。鉄道事業の営業損失の見込み額を運用収益によって埋め合わせるのが目的なので、その目的を達成できるように設計されなくては、意味がないのです。つまり、予測可能性の高い運用収益、具体的には、利息収入の確保が予定されているのです。各社に割り当てられた経営安定基金の金額は、各社が必要とする損失填補額を、金利水準で割って、逆算して得たものだと考えられるのです。
例えば、300億円の穴埋めが必要と見込まれたとして、金利水準を5%と仮定すれば、必要な経営安定基金の総額は、6000億円と計算されるというふうに、です。では、発足当初、どのくらいの金利水準が見込まれていたのか、という問題ですが、おそらくは、6%程度は、見込んでいたのだと思います。6%といえば、当時としても少し高いのですが、著しく高い金利水準とまでは、いえませんでした。
しかし、その後、金利水準は大幅に低下し、しかも、今では超低金利で安定している。もはや、安全性に配慮すれば、2%の収益をだすことすら、容易ではありません。JR三島会社発足時の前提は、完全に狂っています。ところが、基金の額は、固定されていて、増額されていません。つまり、経営安定基金は、本来の基金としての機能を果たせなくなっているのです。そこで、機能維持策が考えられたわけです。
具体的にいうと、各社の経営安定基金から、株主である鉄道・運輸機構へ資金を貸付ける、という特別な操作です。
要は、わざと高利な資金を借りることで、利息という形態で、鉄道・運輸機構が補助金をだすということですね。
その実態は、鉄道・運輸機構の開示資料の中で、簡単に見てとることができます。鉄道・運輸機構は、多様な事業を行っていて、勘定毎に財務諸表があるのですが、当該借入れの件は、「助成勘定」というものに含まれています。その名も、助成です。
2011年3月期をみますと、機構のJR三島会社からの借入れ金額は、北海道3050億円、九州1416億円、四国1839億円となっています。3年前の2008年3月では、北海道4691億円、九州2551億円、四国1848億円と、四国以外は、減少に向かっていることがわかります。
問題は、金利ですね。2011年3月期では、三社とも、3.73%となっています。これが秘密です。金利は、意図的に、わざと高く設定してあるのです。実際、機構の民間銀行等からの借入れ金利は、もちろん、1%台の低いところです。
もともと、機構が高利に借入れることで金利という形の補助金を出すことは、制度発足時からの仕組みです。当初は、その金利は、7.3%に設定されていたのです。その後、金利低下とともに引き下げられて、1997年度からは4.99%、2002年度からは3.73%というふうに、5年ごとに見直されてきました。2007年度のときは、本来ならば引き下げられるべきだったのでしょうが、JR三島会社に対する新支援制度ということで、3.73%に据え置かれたのです。現在、機構の資料に、金利が3.73%と表示されているということは、4.99%の借入れは残っておらず、過去9年の間に、全て3.73%のものになったということだと思います。
さて、来年度、2012年度以降はどうなるのでしょうか。また、3.73%に据え置くのでしょうか。それとも、引き下げるのでしょうか。いずれにしても、国民に広く知られることなく、行政の問題として処理されるのだと思います。しかし、これは、事実上、税金を使った補助金なのです。これでいいのでしょうか。
そもそも、仕組みがおかしいでしょう。機構は、JR三島会社を所有する法人なのであって、いわば親会社です。JR三島会社は、子会社です。その子会社に巨額な経営安定基金を設定し、その基金から親会社である機構が高利で借入れる。その金利が、JR三島会社への補助金になる。巧妙といえば巧妙ですが、非常に不明朗な話ではあります。
経営安定基金の総額のうち、機構向けの貸付金は、そうはいっても、減少に向かっていますよね。にもかかわらず、経営安定基金の運用収益があまり変わっていないのはなぜでしょう。
さあ、なぜでしょう。私の大きな関心事なのですが、JR三島会社の開示資料からは、よくわかりません。
JR四国についていうと、経営安定基金の大半を機構へ貸付けている実態に、変化がありません。JR四国は、全くもって、経営安定基金依存、機構からの実施的な補助金依存の経営体質です。
JR九州は、そもそもが、経営安定基金への依存度を引き下げていますし、基金の運用についても、機構への貸付金の比重を大きく引き下げてきています。それにつれて、経営安定基金の運用利回りも、順次低下しており、2011年3月期には、2.86%になっています。ということは、機構向け貸付金以外の運用利回りは、1%台と推計され、特に無理な運用はしていないのだと思われます。このまま、機構向け貸付金の量と利率が低下していっても、耐えられるような体質へと、経営改革が進んでいるのです。
わからないのは、JR北海道です。3年前までは、JR北海道の経営安定基金のうち、7割くらいが機構向け貸付金だったのですが、直近ですと、その割合は、45%にまで低下しています。にもかかわらず、基金全体の運用利回りは、低下していない。ということは、機構向け貸付金以外の普通の資産運用でも、3%程度の運用収益をあげていることになるのですが、はたして、そうした収益率を安定的にあげることは、可能なのか。私には、無理のように思われるので、非常に関心のあるところであるわけです。
経営安定基金に依存する一方で、JR九州などは、上場計画を掲げていますね。これは、どういうことでしょうか。
JR各社は、旧日本国有鉄道解体後、完全民営化を経営課題とするように、いわば、運命付けられたわけで、そして、その完全民営化の具体的姿が、株式の上場と位置付けられてきたのですから、どうしても、上場ということを経営の目標にせざるを得ないのです。事実、本州の三社(JR東日本、JR東海、JR西日本)は、上場を果たしています。
ところが、当然のことですが、経営安定基金をもったままの状態で、上場などできるはずもありません。上場できる経営状況とは、いうまでもなく、経営安定基金に依存しない経営ですから、上場をするときには、経営安定基金の返還は、必須の条件だと思われます。
その意味では、JR九州は、上場への着実な道を進んでいるようですね。鉄道事業の収支均衡も、もう一息です。経営安定基金がなくても、経営できる状態に近づいている。多角化事業が現状のように順調に推移すれば、遠くない将来、上場も夢ではない。事実、JR九州の経営計画の中には、はっきりと具体的に上場が謳われている。ちなみに、2007年から2012年までの5ヵ年計画は、目標が、「上場に向けた経営基盤の確立」になっています。
もっとも、おそらくは、多角化事業への傾斜の裏にも、上場計画があるのであって、鉄道事業の存続のために国策的に存続が図られ、そのために経営安定基金を通じた事実上の政府補助金が与えられてきた会社が、鉄道以外の事業で収益基盤を強化することには、異論もないわけではないのでしょうが。それでも、完全民営化という目標は、外せないようですね。
逆に、JR四国については、上場どころか、民営化への道のりの遠いことは、明らかです。事実、JR四国は、「「完全民営化が可能となる経営基盤の確立」には「道半ば」と言わざるを得ない状況」というふうに、経営改革の遅れを、経営的に、はっきりと認めており、上場計画などは、もちろんのこと、掲げていません。
そこで、よくわからないのが、JR北海道です。JR北海道の経営内容は、JR四国に近い。経営安定基金への依存度は大きく、到底、上場を検討できる状況にはない。にもかかわらず、JR北海道の経営計画には、上場がのっている。なぜなのでしょう。2007年から2012年までの5ヵ年計画には、「国鉄改革の最終目標である株式上場による「完全民営化」に向け取り組んでいきます」とか、「国鉄改革の最終目標である株式上場による「完全民営化」に向け、本計画期間は配当が行える利益の計上をめざします」などと、書かれています。かなり、非現実的な経営計画ですね。
もっとも、JR北海道にとっては、2015年度に予定されている「北海道新幹線新函館開業をてこに」、ということが大きな期待としてあるのですね。これは、JR九州にとっても、九州新幹線の開通が大きな転換点となっているのと同じです。要は、新幹線頼みのようです。この点、JR四国は、いわゆる整備新幹線の計画から外れており、そのことも、完全民営化を困難にしているのかもしれません。
しかし、整備新幹線の計画などは、民間企業の問題ではないですよね。国策としての運輸交通政策にJR三島会社の「完全民営化」が依存するというのは、矛盾ではないでしょうか。
さあ、どう考えるべきでしょうか。要は、政治ですよね。東京電力問題から突然離れて、JR三島会社をとり上げたのは、電気事業連合会体制の地域割りと、JR各社の地域割りとの間の、ある種の類似性を考えていたからです。JR各社が運輸交通政策に依存するように、電気事業連合会加盟10社は、総合エネルギー政策に依存しているのです。一体どこまで完全な民間企業なのでしょうか。
とりあえず、JR三島会社の経営安定基金の仕組みについて、読者の方に考えていただくだけで、今回は十分ですね。
2011年3月末時点で、機構がJR三島会社の経営安定基金から借入れている金額の総計は、約6300億円です。2%割高な金利が払われているとして、三社に対する事実上の政府補助金額は、今年度だけで、126億円にも達します。まずは、このことをご理解いただきたい。それから、三社合計で、経営安定基金の総額が、1兆2781億円もあること。これが、一種の埋蔵金であること。これも、ご理解いただきたい。
埋蔵金といえば、電気事業改革との関係で、一部の論者が主張している、「原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金」(再処理等積立金)の取り崩しも、今後、議論を呼ぶでしょうね。原子力政策そのものが、根本的に見直されるならば、核燃料サイクル政策も見直されます。この積立金、無用になるのかもしれません。2011年3月末時点で、その額、実に、2兆4426億円です。積立金は、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターという、これも長い名前の法人(原環センターと略称するらしい)が、管理しています。
以上
以上の議論は、一連の東京電力関係の論考とは、直接関係ありませんが、JR各社の問題と、電気事業連合会の問題とは、なにがしかの類似性があるようです、東京電力問題につきましては、下にある関連論考を合わせてお読みいただけると、幸いです。次回更新は、10月13日(木)になります。
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森本紀行(もりもとのりゆき)
HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
東京大学文学部哲学科卒業。ファンドマネジャーとして三井生命(現大樹生命)の年金資産運用業務を経験したのち、1990年1月ワイアット(現ウィリス・タワーズワトソン)に入社。日本初の事業として、企業年金基金等の機関投資家向け投資コンサルティング事業を立ち上げる。年金資産運用の自由化の中で、新しい投資のアイディアを次々に導入して、業容を拡大する。2002年11月、HCアセットマネジメントを設立、全世界の投資のタレントを発掘して運用委託するという、全く新しいタイプの資産運用事業を始める。