20200625 コスト削減からリスク削減へ 事業経営において、コストは事実としての現在の費用、リスクは可能性としての将来の費用ですから、長期の広い視野のもとで経営がなされる限り、当然にリスク重視のはずですが、実際には、短期的なコスト削減のもとで、リスクを増加させる、即ち長期的なコストを増加させることも多いはずです。では、リスク削減は真のコスト削減になるのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20180412 リスクのテイクと管理を混同するなかれ どのような事業を営むにしても、リスクはあります。事業とは、そもそも、リスクをとること、即ちリスクテイクのことです。では、リスク管理とは何か。リスク管理でいうリスクとは、リスクテイクに付随する諸リスクのことであって、リスクテイクでテイクされたリスクそのものではありません。しかし、テイクされるリスクと管理されるべきリスク、あるいはリスクのテイクと管理は常に混同されています。両者の峻別を徹底するだけで、どれだけ日本の経済がよくなることか。 リスクアペタイトフレームワーク
20171214 金融庁のいう新たなコンプライアンスとは何か 金融庁は11月10日に2017事務年度の金融行政方針を公表しましたが、そのなかで「新たなコンプライアンス分野への対応」という項目をたてて、「コンプライアンスをリスク管理の一環として」位置づける動きに言及しています。企業の法令違反が直ちに経営危機につながることを考えれば、これは当然のことですが、金融庁がいうコンプライアンスは単なる法令遵守を超えた新たなものとして提示されているのです。さて、どこが新しいのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160908 銀行の食文化革命 銀行経営は、これから、大きく変貌します。社会的責務の大きさ故に、経営を律する厳格な枠組みが必要であることには、何ら変わりはありませんが、それは、他律的な規制や、従来型のリスク管理を超えて、自律的なリスクアペタイトフレームワークと呼ばれるものに置き換わるでしょう。アペタイトとは食欲ですが、さて、銀行の新たな食文化の醸成とは、どのようなことか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160728 創造的な闘争としての金融のリスクテイク 金融といえども、事業であるかぎり、顧客の視点における価値創造という目的遂行のためには、とるべきリスクは必ずとるのですから、金融のリスク管理は、とるべきリスクではなく、それに付随するリスクと、それに反するリスクだけを対象にしているはずですが、現実には、常に越権して、事業本来のリスクテイクに介入しようとします。故に、金融では、リスクテイクを貫徹して、事業目的を遂行するために、リスク管理に対する闘争が必要なのです。 リスクアペタイトフレームワーク
20160714 金融におけるリスクカルチャーの醸成 金融機関の経営においては、これまで、徹底したリスク管理の高度化が行われてきたのですが、その結果として、金融機能は、必ずしも高度化したわけでもないようです。その理由は、表層的な数値管理の高度化が追求されるなか、金融機関の存在意義を賭けて行うリスクテイクの理念が見失われ、その能力の減退を招いたからでなはないのか。故に、今、リスクテイク能力の再強化のために、新しいりスク管理の枠組みが求められる、それがリスクカルチャーの醸成ではないのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160707 金融における本源的リスクテイクとリスクアペタイトフレームワーク 金融機関の経営において、事業目的遂行のために自覚的にとるリスクは明確にされているのか、その本源的リスクテイクは、それに必要とされる自己資本に対して、適正な利潤を生んでいるのか、本源的リスクテイクに付随するリスクは、適切に制御されているのか、本源的リスクテイクからの逸脱を阻止できるガバナンスは確立しているのか、要は、こうした問いに明確な答えを与えるものとして、リスクアペタイトフレームワークは機能しているのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160630 リスクに、おいしい、まずい、はあるのか 今、日本の金融規制のあり方は、大きく変わろうとしています。それを受けて、金融機関の経営管理のあり方も、抜本的な転換を求められています。そのなかで、注目されているのがリスクアペタイトフレームワークです。さても、リスクに対する食欲とは、どういうことか。リスクは、金融機関の食物なのか。リスクに、おいしい、まずい、はあるのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160623 金融におけるディリスキングとリスクシェアリング 金融も含めて、事業の本質は、リスクをとることです。ただし、通常の事業においては、とられたリスクの顕在化は想定されておらず、経営の能力において、リスクの顕在化を阻止できる前提になっているはずです。ならば、金融におけるリスク管理も、通常、考えられているように、リスクの顕在化を前提として、それに防御壁をもって静的に備えるものではなく、本当は、リスクの顕在化を動的に阻止する攻撃的な能力の開発なのではないのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160616 金融における「動的な監督」とリスクアペタイトフレームワーク 不確実な未来へ賭けること、つまり、リスクをとることは、全ての事業の本質ですが、特に、金融においては、その社会的機能の重要性と、故に厳格に規制されている現実を反映して、最高度に発達したリスク管理態勢がとられてきました。では、技術的に高度なリスク管理は、リスクをとる能力の高度化をもたらしたのか、逆ではないのか、ならば、金融における真のリスク管理とは何か。 リスクアペタイトフレームワーク