20190516 会社員という職業がなくなる日のために そもそも会社員という職業はあるのでしょうか。もしも職業という言葉が何らかの専門性のある業務に従事することを意味するのなら、会社員は職業ではなく、単に会社に雇われている人の従属的立場を意味するだけです。ならば、働き方改革において、働く人を主語にしていることの意義が真に理解されるとき、会社が人を雇うという会社中心主義は滅び去り、会社員はなくなり、いずれは会社自体もなくなる日が来るのではないでしょうか。 働き方改革
20190328 タクシーで学ぶ働き方改革の本質 働き方改革の核心は、働きの成果は必ずしも働く時間に連動しないことですが、だからといって単に働く時間を減らそうとすることは愚劣の極みであって、成果につながる働き方とは何かが問われなくてはなりません。そして、成果とは原理的に顧客の手元に生じた付加価値なのですから、働き方改革の本質は顧客と働く人の視点での事業構造改革になるはずです。その事例をタクシーについて検討してみましょう。 働き方改革
20190314 To the happy few 創造は狂気だ 神の完全な支配が完成したならば、世界は天国になるでしょう。天国は完全であり、完全なるものは、それ以上に変化することはないので、天国では何も動きません、完全な調和、完全な均衡を実現したならば、完全に静止するのです。天国は退屈です。故に、神は人間を不完全なものとして創造し、人間社会に躍動を与えたのですから、人間は神ならざる身の不完全を現世において楽しまなければならないのです。 働き方改革
20190307 鼠を捕る猫よりも魚を盗る猫のほうが優秀な人材だ 昔の代表的な国語辞書であった大槻文彦の「言海」では、「猫」の項に「窃盗ノ性アリ」と説明されてありました。これは、人間中心の価値体系のなかで、人間に対する有用性の基準のもとで、人間以外の事物を序列化する発想ですが、同じ思考構造は、企業が優秀な人材というときにも現れていて、企業に対する有用性の基準で人間が序列化されているわけです。さて、現代社会において、猫に窃盗の性ありといえないのなら、優秀な人材ともいえないのではないか。 働き方改革
20190228 不正のなかに創造の芽がある 金融の常識、世の非常識といわれます。金融に限らず、どの分野でも、どの組織でも、程度の差こそあれ、独りよがりで閉鎖的な内部価値秩序をもっているものであり、そこでの常識は、外部世界では非常識とされて通用しないものです。創造的革新とは、この閉じた価値秩序を破壊することだとしたとき、その革新の芽は、組織内秩序のもとで不正とされることのなかにあるのではないか。 働き方改革
20190214 資本主義は滅んで遊ぶ人の新コミュニズムになる 働き方改革は、その字義通りに、雇う組織ではなく、働く人を主役にした改革でなければなりません。なぜなら、働き方改革は成長戦略であり、成長の源泉である創造は、組織の次元ではなく、働く個人の次元でしか起き得ないからです。では、創造は、いかにして働く人に起きるのか、いかにして組織の革新につながるのか、個人を主役にした新たなる組織統治の原理とは何なのか。 働き方改革
20190207 働き方改革は遊び方改革だ 働き方改革という言葉は、組織を主語にした雇い方改革ではなくて、働く人を主語にしたものですから、先に人の働きがあって、その集積が組織の成果になるということでなければなりません。組織があって、組織に所属する人があるのではなく、人があって、人の集合が組織を構成するとき、そこに組織の統一と統治をもたらす原理は、文化と呼ばれるものではないのか、そして文化とは遊ぶことではないのか。 働き方改革
20190131 成功事例に学ぼうとするやつは亀を抜けないアキレスだ 古来、アキレスと亀の話は有名です。亀がアキレスよりも少し先のところを歩いているが、アキレスが追い抜こうとしても、抜くことはできないという逆説で、古代ギリシャの哲学者エレアのゼノンに帰せられています。アキレスならずとも、誰だって普通に走れば亀を抜けるに決まっていますが、抜けなくなるのは亀を基準に走るからです。このことは、企業経営において真の革新の意味を考える際に、重要な示唆を与えるものです。 働き方改革
20181115 78歳で病院の世話になったことのない麻生太郎先生の立派な見識 麻生太郎財務大臣の発言は、表現が直截的にすぎて乱暴な印象を与えるせいか、政治的には物議を醸しやすいわけですが、経済的な側面から内容を検討する限り、理に適っている場合が多いようです。例えば、健康保険のあり方について医療費負担の公平性に言及した最近の発言なども、一部に批判があったにしても、日本の持続可能な未来社会の建設にとって重要な示唆を与える立派な見識の表明なのです。 働き方改革
20171026 金融のフィデューシャリーを目指す働き方改革 フィデューシャリーは、英米法の専門家だけが知る特殊な言葉だったのですが、三年前に金融庁の施策を表現するものとして採用されたことから、今では金融界で知らぬもののない流行語になりました。これは専らに顧客の利益のために働く人を意味していて、弁護士や医師を思い浮かべればいいのですが、それだけに、金融機関に働く人をフィデューシャリーと呼ぶことの違和感は強烈です。強烈な違和感をもって有名となったフィデューシャリー、さて、金融行政の狙いは何か。 働き方改革