20170601 金融界に横行する利益相反を根絶するために 金融における利益相反とは何か、この本来は自明であるべき問いについては、未だかつて真剣に問われたことがないようです。実際、利益相反の事実が認定されたことなどないのです。しかし、他方では、金融の幅広い領域で、利益相反のおそれのある事態が横行していることについては、常に指摘され続けてきました。さて、金融庁は利益相反のおそれを根絶できるのか。 年金基金
20170420 ついに金融庁が動くか、年金基金の実態暴露と抜本改革 金融庁の森信親長官は、4月7日の講演において、金融界に鉄槌を振り下ろしました。国民の利益の視点から投資信託の現状を厳しく批判し、旧き悪しき業界構造を倒壊転覆させるに十分な大激震を起こしたのです。そして、同時に、年金基金の資産運用についても、受益者である国民の視点において、抜本的改革の必要性を主張しました。さてさて、金融庁所管外の年金基金に言及した森長官の真意は何処にありや。 年金基金
20151126 素晴らしい、かくも立派な企業年金基金があったのか 今、ある厚生年金基金では、心機一転、制度を改め、新しい企業年金基金として再発足するために、真摯な努力がなされています。そこでは、全くの自主的な取り組みとして、企業年金の意義を根源的に問い直し、その重大なる責務の自覚のうえに、社会的付加価値の創出が目指されているのです。この素晴らしい取り組み、一人でも多くの人に知ってもらいたいのです。 年金基金
20150402 企業年金と運用機関の不適切な関係 企業年金の資産は、専らに、受益者、即ち、従業員や年金受給者の利益のために、運用されなくてはなりません。企業年金は、自身によって資産運用を行うのではなく、専門の運用機関に運用委託することとされていますので、専らに受益者の利益のために、最善の運用機関を選び、選ばれた運用機関は、専らに受益者の利益のために、運用を行わねばなりません。これは法律の要請ですが、さて、現実はどうか。 年金基金
20150319 企業年金と母体企業の不適切な関係 企業年金は、従業員の退職一時金の支払いや退職後の年金給付を行うための財源を確保する仕組みです。退職一時金や退職後年金は、現役時代の勤労に対する対価として、法律的に、給与の後払いとしての性格を認定されたものですから、その受益者の権利の裏付けとなる資産は、企業経営の支配の及ばないところで、科学的に推計された給付原資相当額を維持しつつ、適切に管理運用されなくてはいけません。さて、その実態はどうか。 年金基金
20140508 GPIFのリスクを正しく論じるために 投資の世界では、リスクをとれとか、とるなとか、リスクが高いとか、リスク管理だとか、リスク分散だとか、投資自体がリスクだとか、はてはリスクオンだのオフだのと、とにかく、リスクという言葉を用いた言説が氾濫しています。しかし、これは、決して活発な建設的な議論を意味するものではなく、リスクという用語の曖昧な使用に起因する混乱と誤解と誤謬と無意味の氾濫にすぎないようです。 年金基金
20140424 公的年金資産運用改革論の誤謬 公的年金資産の運用改革については、緊急の政策課題としてとり上げられたことから、やれ、リスクをもっととれ、日本株を買い増せ、インフラ投資に振り向けろ、はたまた逆に、資金の性格からしてリスクをとるのはいかがなものかなど、勝手な議論が横行していますが、さて、資産運用の本来あるべき論理としては、どう考えるべきなのか。 年金基金
20140313 GPIF改革、あるいは投資家の内部統治と信託 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産運用改革が政治の大きな問題になっています。公的年金給付の裏付けになる資産の運用のあり方は、国民の年金受給権を守ることを専らに考えて、決定されねばなりません。さて、GPIFは、国民の信託に応えて、受託者としての責任を果たせるのか。 年金基金
20121122 経済成長期の産業金融と企業年金の役割を再興せよ 日本の高度経済成長の裏には、緻密に設計された産業金融の仕組みがありました。当時の代表的な企業年金制度である厚生年金基金も、その重要な一翼を担っていたといえます。過去の成功から、我々は何を学ぶことができるでしょうか。 年金基金
20091001 企業年金資産を積立てる意味とIFRS 企業が負担する債務の中で、弁済できない債務というものは、考えにくいのですが、実は、年金退職金にかかわる債務(会計の用語を使えば、退職給付債務)は、そのような弁済できない特殊な債務です。 年金基金