20200123 ゴーン氏が工夫を凝らした繰延報酬に開示義務はあったのか 日産自動車は、1月16日に、東京証券取引所に「改善状況報告書」を提出し、その内容を公表しました。ゴーン氏の不正行為とされる事案については、少なくとも現時点での状況を鑑みる限り、この報告書以上の情報が公になることはあり得ませんから、その範囲内で、改めて、ゴーン氏は自らの報酬について有価証券報告書への虚偽記載を指示したのか検討してみましょう。 コーポレートガバナンス
20190221 これからが楽しみな日産自動車ゴーン氏の命運 日産自動車は、2月12日に発表した2018年度第3四半期決算において、検察の主張に従い、ゴーン氏の未計上の過年度報酬額を一括計上しました。つまり、これらの報酬は正式な社内手続きを経て決定されたものだと認めたわけですが、では、なぜゴーン氏以外の最高幹部は知らなかったのか、正式に決算処理された報酬であるにもかかわらず、なぜ実際に支払うとは限らないとされているのか、ますます混迷を深める事態について、どう考えるべきか。 コーポレートガバナンス
20181206 日産自動車のゴーン氏が虚偽記載を指示したはずはない 日産自動車の前会長であるゴーン氏は、自己の報酬について有価証券報告書に虚偽の記載をするように指示したとして、東京地方検察庁に逮捕されたわけですが、事案の詳細が不明ななかにおいて確実にいえることは、記載すべき報酬額の算定において、ゴーン氏側と検察側とで見解に大きな相違があるということだけです。見解の相違で逮捕というのは異常ではないでしょうか。 コーポレートガバナンス
20180125 素人のガバナンスと玄人のマネジメント 企業のガバナンス改革で重要な役割を演じるとされている社外取締役ですが、部外者として事業内容に精通していないものを経営の頂点の判断に関与させることの意味は何か、いわば素人にすぎないものに何が貢献できるというのか、逆にいえば、なぜ社内の玄人の経営者だけの意思決定ではいけないのか。さて、素人のガバナンスと玄人のマネジメント、その役割分担はどうあるべきか。 コーポレートガバナンス
20170316 東芝は消滅、東芝の事業は不滅 東芝という企業など、破綻して消滅しようが、解体しようが、どうなったところで、東芝の事業が継続し、顧客と取引先に迷惑がかからず、雇用も継続する限り、金融的に多少は面倒なことがあるにしても、社会全体にとっては大きな問題ではありません。逆に、社会全体にとって最大利益になるように、東芝問題を処理すべきなのですが、さて、何か別の理屈が働いてはいないか。 コーポレートガバナンス
20161208 神話の創造による成長戦略 死期の迫った農夫は、のらくら息子たちに、自分の葡萄畑に宝物を隠してある、といって死んだ、息子たちは、畑を隅から隅まで掘り返したが、宝物は見つからなかった、その代わりに、葡萄がよく実った。これは、イソップの「農夫と息子たち」という有名な寓話です。人間にとって苦労こそが宝物だという寓意はともかくも、この話、農夫の嘘を息子たちが信じないとなりたちません。なぜ、息子たちは信じたのか、実は、そこに深い哲学があるのです。 コーポレートガバナンス
20160721 なぜキヤノンのマスゾエ的行為は批判されないのか 舛添前東京都知事は、「違法ではないが不適切」と認定された行為によって、痛烈な批判を浴びて辞任に追い込まれましたが、東芝メディカルシステムズを買収するに際してキヤノンがとった手法についても、公正取引委員会が同様の認定をしたにもかかわらず、なぜ、キヤノンに対しては、目立った批判がなされていないのでしょうか。 コーポレートガバナンス
20160225 丸山議員の「奴隷が大統領になるなんて」発言に説明責任を課す病理 17日の参議院憲法審査会で、丸山和也参議院議員が「今、アメリカは黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ、はっきり言って」と発言したことについて、菅官房長官は、18日の衆議院予算委員会において、説明責任を果たす必要があるという認識を示しました。さても、このような不適切な発言の釈明についてまで、説明責任という用語が使われるべきなのか。これは、もはや、何にでも説明を求める病理ではないのか。 コーポレートガバナンス
20150611 上場している投資運用業者の責任 日本の投資運用業者には、単独で上場しているものは少ないですが、親会社の金融機関が上場しているものは多くあります。さて、直接に、また間接に、上場している投資運用業者は、当然に、株主に対する責任を負い、同時に、顧客である投資家にも責任を負い、また、投資家を代理して議決権を行使するものとしての責任を負うわけですが、これらの責任は、相互に矛盾なく履行可能なのか。 コーポレートガバナンス
20150604 「コーポレートガバナンス・コード」から抜け落ちている企業年金 東京証券取引所が定めた「コーポレートガバナンス・コード」の第二章は、「株主以外のステークホルダーとの適切な協働」と題されていて、そこには、五つの原則があげられているのですが、非常に大事な原則が抜け落ちているように思えます。それは、企業年金の適正な管理です。本コードは、「不変のものではない」とされているのですから、早急なる改定を望みたいものです。 コーポレートガバナンス