これが老後2000万円報告書の改訂版だ
政治問題に悪用されて有名になった老後2000万円報告書ですが、その主旨は、公的年金は最低生活保障なのだから、各自が自分の定義する豊かな老後生活を思い描いて、その実現のために必要な追加資金を用意すべきだという常識的な提言にすぎません。そして、真の政策上の論点は、提言に実効性をもたせるために、国民の豊かな老後の定義が多様に異なることに対応して、税制を含めた柔軟な老後生活資金形成のあり方を工夫することと、働き方改革を推進するなかで企業責任を明らかにすることにあったのです。