20160519 金融庁は「規制の虜」になるのか 金融庁の森長官は、4月13日の「静的な規制から動的な監督へ」と題する画期的な講演で、日本の新しい金融行政手法である「銀行等との対話」の意義を熱く語るなかで、日本の外の従来型の規制手法を支持する人による「当局が銀行と対話をすればregulatory captureのリスクが高まる」という主張に言及されています。さて、金融庁は、金融機関との対話によって、「規制の虜」になってしまうのか。 金融行政方針
20160428 森金融庁長官の熱き思いに金融界も熱く応えよ 金融庁は、森長官のもと、金融行政の革命的転換を、強力に、かつ急速に、推進しています。そのなかで、金融規制がはたすべき機能も大きく変わろうとしているのですが、逆に、被規制側の金融界は、この変革に十分に対応できていないようにみえます。さあ、金融界よ、森長官の燃えたぎる情熱に、もっと熱き思いで応えようではないか。 金融行政方針
20160310 金融機関の規制されたがり病の克服について 金融は、高度に規制された産業ですが、事業の性格上、その現実を変えることは不可能です。しかし、規制には弊害もあるわけで、金融界の活力の減退や、創造性の喪失など、規制目的に反した結果すら招来しかねません。そこで、今、金融庁は、弊害是正のために、規制手法の歴史的な大転換を強力に推進しているのですが、旧規制に慣れ親しんできた金融機関は、いかにして、規制されたがり病を克服するのか。 金融行政方針
20151203 金融における「企業単位の規制改革」 「企業単位の規制改革」というのは、アベノミクスの第三の矢において、新規事業の創出を促し民間投資を喚起するための重点施策に位置づけられているものです。他方で、金融庁は、「金融機関の創意工夫を引き出す」行政を掲げています。この二つの施策には、民間の創意を促すという共通性がありますが、ならば、金融においても、「企業単位の規制改革」はあり得るのか。 金融行政方針
20151119 ルール遵守は金融機関の自己保身 金融は、高度に規制された産業ですから、法律以下、膨大かつ複雑な諸ルールの体系が構成されていますが、今や、その遵守は徹底されています。当然といえば当然ですが、その几帳面で厳格な履行状況は驚くべきものでもあります。では、ルール遵守で、金融機能は高度化したのか、顧客の利便性は向上したのか。 金融行政方針
20151008 金融機関に創意工夫を促す強制力 金融庁は、新しい「金融行政方針」において、自らの機能を、金融機関の創意工夫を引き出し、支援することとしています。画期的な転換です。しかし、これでは、金融機関に自発的な創意工夫の意思がなければ、金融庁の行政課題は実現し得ないことになってしまいます。さて、どうすれば、金融庁として、金融機関に、自発的改革を促すことができるのか。 金融行政方針
20151001 「国益への貢献」を掲げた金融庁の英断 金融庁は、9月18日に、2015事務年度の「金融行政方針」を公表しました。2014事務年度のものは、「金融モニタリング基本方針」という名前だったのですが、とうとう、モニタリングという用語すら、表題から消えました。替えて、「国益への貢献」を掲げた行政方針としたことは、単に体裁の問題ではなくて、金融庁という組織のあり方自体を変える本質的転換を意味しています。さて、何が変わったのか。 金融行政方針
20150528 投資信託協会長に質す 投資信託協会の会長は、大和投資信託の社長です。他の金融商品取引法に基づく業界団体である日本証券業協会および日本投資顧問業協会では、会長職は専任ですが、投資信託協会では、会員代表者から会長を選んでいるのです。それはいいとしても、その会長が大和証券グループ本社の執行役副社長を兼職しているのは、さて、いかがなものか。 金融行政方針
20150521 三井住友信託社長のあまりにも空疎な所信 4月15日の信託大会において、信託協会長は、恒例の所信を述べています。今の会長は三井住友信託の社長ですから、そこには、同社の経営理念が引用されていて、「最善至高の信義・誠実」とあります。あまりにも立派な言葉であるが故に、誰も、実際に、それが果されているとは思わないでしょうし、事実として、果たされているとも思えません。かくも空疎な言葉を並べて所信とし、また経営理念とする神経とは、さて、いかがなものか。 金融行政方針
20150514 野村證券よ、利益相反の不存在を証明してみせよ 野村ホールディングス傘下の資産運用関連事業について、そこに利益相反の事実があることを、積極的に証明することはできないでしょう。しかし、だからといって、利益相反の事実がないことも、証明できません。なぜなら、利益相反の可能性を推認させ得る事例は、事実として、存在するからです。ただし、可能性は可能性にすぎないわけで、要は、可能性を否定できればいいのですが、さて、野村に、それができるのか。 金融行政方針