20140213 信託の受託者の忠実義務 信託の受託者には、専らに受益者の利益のために行動しなければならないという厳しい規範が課せられます。この行為規範が忠実義務です。忠実義務は、信託という制度を根底において支える理念的要請であり、また信託法にも明示される法定の義務です。さて、その実質的内容とは何でしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20140206 金融危機さなかの信託銀行批判 1997年11月24日、山一證券の野澤社長は、「みんな私らが悪いんであって、社員は悪くありませんから」という有名な涙の記者会見を行い、自主廃業を発表しました。この11月は、先に三洋証券と北海道拓殖銀行が相次いで破綻しており、日本の金融の大きな転換点となった深刻な危機の開始を告げたときです。 フィデューシャリー・デューティー
20140130 企業年金の資産運用におけるフィデュシャリーの責任 フィデュシャリーというのは、言うなれば何かを信じられて託された人のことです。何かを信じて託した人と、信じられて託された人は、特別な信認関係(フィデュシャリー関係)にあるわけです。この関係を基礎に、企業年金の資産運用責任のあるべき姿を検討します。 フィデューシャリー・デューティー
20140123 九州石油業厚生年金基金訴訟に思う 九州石油業厚生年金基金は、不動産関連の特定の投資戦略に集中的に運用していたことから、その戦略の投資の失敗により、巨額な損失を受けました。基金は、この戦略を信託口座で受託していた信託銀行に対して、注意義務違反に基づいて損害賠償請求の訴訟を起こしたのですが、一審では敗訴になっています。 フィデューシャリー・デューティー
20140116 フィデュシャリー、あるいは信じて託すること 信託とは、信じて託することです。何事であれ、他人を信じて他人に託するには、強い信頼関係を必要とします。また、もしも信じて託するならば、その信頼関係について、法律的な特別の保護が必要なはずです。その保護されるべき信頼関係が、フィデュシャリー Fiduciaryですね。 フィデューシャリー・デューティー
20140109 トラスト、あるいは信託の本旨 トラストは、英米法のTrustであり、日本法では信託と訳されています。日本の信託は、英米法のTrustを参考にして作られたのですが、歴史的背景の全く異なる日本に接受されたとき、当然のこととして、異なるものになりました。しかし、信託がTrustであることには変わりありません。今回は、改めてTrustから信託を考え直します。 フィデューシャリー・デューティー