20151112 金融におけるフィデューシャリー関係の成立 人が他人を信じて何かを託することは、人と人をつなぐ絆として、人間社会を成立させる根本的な行為です。他人を信じて何かを託した人は、託したことを、その他人が忠実に執行してくれることを期待します。その期待は、信頼に基づくものです。金融取引は、多くの場合、こうした信頼に基づきますが、さて、その信頼は、どの程度まで、また、どのようにして、保護されるべきでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20151105 金融機関の「お約束」を厳格に守らせるためには どの金融機関でも、非常に立派な経営理念や社是のようなものを掲げていて、そこでは、お客様本位とか、お客様の信頼に応えますとか、お客様の利益を第一にとか、同工異曲の美辞麗句が並んでいます。どうみても、所詮は、営業用のおまじないと思われますが、さて、それでいいのでしょうか、厳格な規範として、顧客に確約されるべきものではないのでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20151029 フィデューシャリー・デューティーを規制と考える金融機関に未来はない 金融庁が金融機関に対してフィデューシャリー・デューティーの徹底を求めているからといって、それは金融規制の強化ではないのです。なにしろ、金融庁からは、施策を具現化したルールなど、何一つ出されていないのですから。フィデューシャリー・デューティーは、各金融機関の自主的な取り組みとして、徹底されるのです。では、金融機関の取り組みへの誘因は何か。いうまでもなく、企業価値の向上です。 フィデューシャリー・デューティー
20151022 総合型企業年金基金が「フィデューシャリー宣言」をする意義 厚生年金基金は、不幸にも、また不当にも、事実上、廃止されました。多くの基金は、解散への道を歩むほかなくなったのですが、一部の優良基金では、確定給付企業年金基金への改組によって、存続しようとする真摯な努力がなされています。さて、その際の鍵は、基金の社会的な存在意義の確立だと思われるのですが、それこそ、「フィデューシャリー宣言」の機能と同じものではないでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20151015 フィデューシャリー・デューティーの長く広い射程 金融庁は、昨年の9月に、フィデューシャリー・デューティーを初めて導入し、今年、来年と、その徹底を図るとしています。これに対して、金融界は、未だに、金融庁の真意を、十分には受け止め得てはいないようです。それは、フィデューシャリー・デューティーが、金融行政手法の革命的転換の象徴として、大きな背景をもつからなのですが、では、その射程は、金融全体のどこにまで及び得るのか。 フィデューシャリー・デューティー
20150917 フィデューシャリー・デューティーとベストをつくす義務 昨年の9月に金融庁が初めて導入したフィデューシャリー・デューティー、金融界では、今、静かに、その意味するところが浸透し始めています。フィデューシャリー・デューティーは、原点において、専らに顧客のために、ということにすぎないのですが、そのことを徹底して考え抜き、かつ実践していけば、そこから、次々と、重要な帰結が派生してきます。フィデューシャリー・デューティーの射程は長いのです。 フィデューシャリー・デューティー
20150910 厚生年金基金の「フィデューシャリー宣言」 厚生年金基金といえば、かつては、企業年金の代表的な器でしたが、現在では、事実上、同一業界の多数の事業主で作る総合型を残すのみで、それすら、間もなく、大多数は、解散か、確定給付企業年金基金への改組によって、消滅してしまうのです。総合型の確定給付企業年金基金になっても、必ずしも存立基盤が堅牢でないなか、「フィデューシャリー宣言」を公表することは、組織強化の切り札にならないでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20150903 企業年金が「フィデューシャリー宣言」をする意義 企業年金の資産の運用を受託している投資運用業者等は、専らに企業年金の利益のために職務を遂行する義務を負いますが、この義務を、金融庁は、フィデューシャリー・デューティーと、片仮名で呼んでいます。ならば、企業年金は、専らに制度の加入員と受給者の利益のために職務を遂行する義務を負うのですから、企業年金にも、フィデューシャリー・デューティーが課せられるのではないでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20150827 「フィデューシャリー宣言」の意義について HCアセットマネジメント株式会社は、8月21日に、自社のウェブサイトにおいて、「フィデューシャリー宣言」を公表しました。投資運用業者として、専らに顧客の利益のために働くこと、即ち、合理的な報酬のもとで、他の一切の自己の利益、また第三者の利益を求めないことを、顧客に対して、明示的な宣言として、確約したのです。さて、この宣言に至る背景には、何があるのか。 フィデューシャリー・デューティー
20150806 投資信託の販売会社のフィデューシャリー・デューティー 投資信託の顧客の意識の問題として、誰にお金を預けたと感じているでしょうか。法律上は、お金は投資信託を受託している信託業者に預けられているのですが、実際には、販売会社に預けていると感じている投資家が多いのではないでしょうか。ならば、販売会社には、投資家の信認を得たものとしての重責があるのではないでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー