20150723 信託業と投資運用業の責任の境界線 投資運用業は、実は、それ単独では、成立しません。なぜなら、投資対象の資産を管理保全する機能を含まないからです。そこは、信託業の担当する業務です。法律は、理由があって、このように業務を二つに分けたのですが、分けたからには、責任の境界が問題となります。ところが、この境界線、不鮮明なところがあって、深刻な問題を生じているのです。 フィデューシャリー・デューティー
20140710 資産運用の担い手として、何をなすべきか 資産運用の担い手の受託者としての責任が問われています。それは、安倍政権の経済政策において、産業界の革新と成長への投資が加速していく新しい資金循環を構築することが必須とされるなかで、投資主体としての資産運用の担い手の社会的機能が重視されているからです。 フィデューシャリー・デューティー
20140703 受託者としての資産運用の担い手 資産運用の担い手が受託者であるとは、どういう意味か。もちろん、職務として資産運用に従事する者は信託業者よりも遥かに広義なものですから、ここでいう受託者は、信託法上の受託者ではありません。しかし、敢えて、受託者というからには、理念としての真の信託の受託者、即ち、顧客から信じられ託されているものとしての責務を強調したいがためにほかなりません。 フィデューシャリー・デューティー
20140410 信託受託者の忠実義務を徹底的に考える 信託の受託者の忠実義務というのは、受託者は、信託の本旨にのっとり、専らに受益者の利益のために行動しなければならないという厳格な規律です。さて、この「専らに受益者の利益のために」の意味を、徹底的に掘り下げて解するとき、本来の信託の理念が明瞭に見えてくる、そのような主張をなそうということですね。 フィデューシャリー・デューティー
20140403 信託に厳格な受託者責任を課すために 信託に厳格な受託者責任を課すために、そのような表題を掲げること自体が、日本では、多様な信託の利用のなかで、受託者責任が厳格には履行されていないことを認めるようなものですけれども、なぜ、そのような状態が放置されているのか、その問題性を明らかにしようということですね。 フィデューシャリー・デューティー
20140327 ファンドのディレクターとトラスティー ディレクター(Director)は法人形態のファンドの取締役、トラスティー(Trustee)は信託(トラスト)形態のファンドの受託者です。敢えて、それを、片仮名で表現するのは、英米法の理念に引き付けて検討しようということですから、何が日本法では問題なのかを、英米法との対比で明らかにしようということですね。 フィデューシャリー・デューティー
20140320 国際金融センターへの挑戦と信託 安倍政権は、成長戦略進化のための今後の検討方針として、「国際金融センターとしての地位確立への挑戦」という課題をあげています。「挑戦」という用語は、実現の困難性を前提にしているものでしょうから、実効性を求められる政策課題としては、極めて異例な語法です。さて、この挑戦に勝機ありや。 フィデューシャリー・デューティー
20140306 投資信託は本当の信託なのか 投資信託は信託です。しかし、それは、信託法の特則として、特別法によって設定された信託だから信託なのだという意味にすぎないのか。投資信託は、主に個人投資家の便益のために利用されるわけですが、そこでは、真の信託の機能として、受益者である投資家の利益保護の仕組みが貫徹しているのか。投資信託は本当の信託なのか。 フィデューシャリー・デューティー
20140227 投資詐欺事件における信託銀行の責任 AIJという会社による投資詐欺事件がありました。普通ならば犯罪者だけが非難されるべきところ、年金基金は被害者になったことで非難され、投資運用業界は内部から詐欺師をだしたことで非難されるという異常な展開となるなかで、重要な関連当事者であった信託銀行の責任は論じられませんでした。 フィデューシャリー・デューティー
20140220 信託の合同運用における法創造 信託の合同運用というのは、複数の異なる信託に属する資産について、一括して運用することで効率性を高めるために、別に共通の信託を作って、そこに統合して委託する仕組みです。企業年金の資産運用のための年金信託では、事実としては、古くから多用されてきた一方で、法律論としては、当初から議論がありました。 フィデューシャリー・デューティー