20151210 雨が降ったら傘を差し出す金融へ 晴れには傘を貸し、雨が降ったら傘を取り上げる、これは、銀行等の融資姿勢を皮肉った譬えとして、昔から使われているものです。企業の業況のいいときには喜んで融資をし、業況が悪化したとたんに融資を引き上げようとする銀行等の傾向については、確かに、金融の社会的機能の面から、批判的に検討する余地がありそうです。 成長戦略
20150226 迫りくる銀行の危機 銀行というのは、預金者からお金を借りて、法人等へお金を貸すことで、利鞘を得る商売です。要は、安く借りて、高く貸す、そこに尽きてしまいます。では、借りる金利と貸す金利が同じになってしまったら、ましてや、貸す金利のほうが低くなってしまったら、どうなるか。いま、銀行業の基礎を揺るがす本質的な危機が迫っているのではないか。 成長戦略
20140626 公共ファイナンスの視座 何が公共の事業であるべきなのか、そのこと自体が難しい問題ですが、現実に、公的部門から供給されるサービスに対して、利用料が徴収されているものが少なからずあるわけです。これらの事業は、利用料というキャッシュフローを生んでいるのですから、理論的には、民営化できるし、完全には民営化しなくとも、民間部門と連携した独自の金融や経営の仕組みを考え得るはずです。 成長戦略
20140417 大胆予測、2020ニッポン国際金融センター 政府は、2020年の東京オリンピック開催までに、日本をアジア最大の国際金融センターにするという構想を掲げています。日本の金融の実情を知り抜いている専門家ほど、それは現実味のない妄論だ、と一蹴してしまうのでしょうが、実は、いけるのではないか、常識を超えたことが起こり得るのではないか、そのような大胆な予測、というよりも熱い期待を展開してみましょう。 成長戦略
20130627 借換えで債務を弁済することは本当に弁済なのか 金融の世界の有名な難問が、資本性の融資です。資本性の融資というのは、銀行等が連続的な借換えに応じることで、事実上、半永久的な貸付けも同然と化した融資のことです。これは、期日における確実な回収という融資の基本中の基本から、逸脱しているのではないのか。今回は、この難問をとり上げます。 成長戦略
20130619 住宅金融と生涯生活設計 住宅購入における資金調達は、生涯生活設計において重大な問題です。生活資金のなかの最大の費目になりがちな住宅費用を金融的に合理化できれば、大いに便利といわざるを得ません。今回は、ホームエクイティを計画的に取り崩す仕組み、"リバースモーゲージ"を中心とした論考です。 成長戦略
20130612 住宅金融あれこれ 新カテゴリ「住宅金融」。住宅金融ほど、人間の生活と金融機能が密着したものはありません。周辺に関連した大きな分野をもっているため、金融の社会的機能の分析にとっても、金融技法の検討にとっても重要な題材です。住宅金融から提起される問題を探っていきましょう。 成長戦略
20130327 ジャパンディスプレイは産業革新機構なしでもあり得たか 株式会社ジャパンディスプレイは、ソニー、東芝、日立製作所の中小型ディスプレイ事業を統合して、2012年4月1日に発足した新しい会社です。この事業統合の核になったのは「官民ファンド」の代表格の産業革新機構ですが、これが安倍政権の経済政策の中核に座るのはなぜでしょうか。 成長戦略
20130321 競争なくして成長なし、では競争があれば成長するのか 3月5日、公正取引委員会の委員長に杉本和行氏が就任。就任時の記者会見で、杉本新委員長は、「競争なくして成長なし」ということを強調しました。今回は、「競争なくして成長なし」の本質的意味を考えます。 成長戦略
20130131 政府による「リスクマネー供給」の可否―安倍政権の緊急経済対策の検討 安倍政権の緊急経済対策に示された「三本の矢」のひとつは「民間投資を喚起する成長戦略」ですが、その喚起のための「呼び水」として、政府は「リスクマネー供給」を行うとしています。民間投資を喚起するための経済政策の必要性自体は誰にも否定できませんが、その手法の妥当性はどうでしょうか。 成長戦略