20190418 投資が預金と同じくらい普通になるために 企業の設備投資といえば、その重要な社会的意義を誰もが理解しますが、個人の株式投資というと、何か危ないことのように思われがちなのは、なぜでしょうか。企業が設備投資の資金を調達するために株式を発行する、その株式が国民貯蓄によって取得されることは、むしろ自然なことではないでしょうか。要は、投資という言葉が危ない投資も含めて広義に使われているために、そして、危ない投資が目立つために、正当な投資にまで誤解が生じているのではないでしょうか。 投資信託 金利生活
20190404 投資は狂気だ、資産形成は理性だ 老後生活資金の確保において、個人の自助努力の必要性がいわれるなか、貯蓄から資産形成への転換が金融行政の課題になっています。資産形成は、家計規律のもとで、長期的で合理的な計画に従ってなされるべきものですが、資産形成を実現する方法である投資は、必ずしも理性的なものではなく、その根底に資本主義の動因である情動を秘めています。さて、資産形成は、理性と情動のはざまで、どうあるべきか。 金利生活
20180830 投資信託は何の役にたつのだ 投資信託については、投資教育がいわれるなかで、つい技術的側面が強調されてしまうわけですが、投資は、投資自体が目的ではなくて、いずれは投資した資金を現金に換えて消費することが目的であることを忘れてはなりません。長期投資が重要だとはいっても、長期とは消費計画との関連で決まる時間の長さなのです。上手に消費することに教育がいるはずもなく、ならば投資教育とは何なのか。 投資信託 金利生活
20180823 銀行で投資信託を買った人の46%が損をしていることについて 金融庁は、銀行で投資信託を購入した顧客について、その46%の運用損益がマイナスになっているという資料を公表しました。もちろん、これは統計上の事実には違いないのですが、その算出の根拠に遡らない限り、事実の意味するところを正しく解釈することはできません。さて、では、この事実から浮かび上がる背景にある問題とは何なのか。 投資信託 金利生活
20180531 こんな投資信託があれば飛ぶように売れる 金融庁が強力に推進している金融構造改革のもと、個人貯蓄が預金から投資信託に移動していくと期待されているのですが、その流れを作るためには、分散投資のための品揃えとして、公社債等の確定利回りの資産を対象とした投資信託が不可欠です。しかし、現在の金利情勢のもとで、その分野で預金に勝てるものを作ることは極めて困難です。さて、どうすれば、魅力ある社債等を創出して、この困難を克服できるのか。それができれば、飛ぶように売れる投資信託になること請け合いなのですが。 投資信託 金利生活
20180426 預金に勝てる投資信託はあるのか 預金から投資信託へ、この標語に金融庁が強力に押し進める金融構造改革は集約されます。しかし、確かに、金融庁が説くように、長期にみれば預金は資産形成に相応しくないでしょうが、足元の金利情勢のもとの投資判断としては、預金にとどまるほうが合理的ではないでしょうか。ましてや、資産形成になじまない高齢者が預金総額の大きな部分を保有する現実において、預金から投資信託への流れは起き得るのでしょうか。 投資信託 金利生活
20180419 投資信託の毎月分配は顧客を騙すためなのか 投資信託の毎月分配については、長期の資産形成という目的にとって不要であり、有害ですらあるという見解が支配的で、金融庁も批判的な姿勢を示しています。しかし、事実としては、顧客に人気のある投資信託の多くは毎月分配型なのです。では、投資信託の実際の利用目的は資産形成ではないのか、資産形成が目的なら顧客が方法を誤っているのか、それとも業界の都合で顧客を間違った方向に誘導しているのか。 投資信託 金利生活
20180405 投資信託の回転売買の実態が明らかになるとき 投資信託は株価や為替の変動の影響を受けるわけですが、その販売において、購入と解約の適切なタイミングを計ることは難しく、むしろ、真に顧客の利益に適うためには、タイミングを計らないほうが望ましいとも考えられます。ならば、顧客が購入してから短い保有期間で解約して別なものに乗り換えること、いわゆる回転売買は顧客の利益に反することになりそうですが、現実には、広く行われているとされます。なぜなのか、それで顧客の利益は守られているのか。 投資信託 金利生活
20180329 投資信託の質の「見える化」は可能か 金融庁は、資本市場へ金融の中核機能を移転しようとしています。この歴史的大転換の結果として、国民貯蓄は、投資信託等を通じて直接に資本市場に流入するのですから、国民の利益を保護することが使命の金融庁にとって、投資信託の質の抜本的改善は最重点課題になっています。そこでは、数多ある投資信託の質の差を測る尺度を導入し、国民の合理的選択を促すことで、不良品の淘汰が目論まれているのですが、さて、そのような尺度はあり得るのか。 投資信託 金利生活
20171109 新・三井住友銀行で一番売れている投資信託 現在、三井住友銀行で一番売れている投資信託は、「SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド」というものです。三年前に同行で一番売れていた投資信託と比較するとき、そのあまりの変化に驚きます。この三年間、金融庁が強力に推進してきた投資信託改革ですが、この新商品、さても、その顕著な成果といえるのか。 投資信託 金利生活