20191107 お役に立った投資信託といえるために 金融というのは、顧客が支出しなければならない資金量と、現に顧客の手元にあって支出可能な資金量との差を調整する機能であって、手元資金の不足に応えるのが融資、余剰に応えるのが資産形成、そして、資産形成の道具が投資信託です。融資が役に立っていることに説明は不要ですが、投資信託については、役に立っているかどうか全く不明ですから、普及するはずもなく、さて、どうしたら有用なものとして認知され得るのか。 投資信託 金利生活
20191031 投資しようとして投機してしまう人のために 投資は、株式などを通じて産業活動に資金を投じ、その活動が生み出す付加価値の還元を受けることですが、投機は、株式などの価格の変動を利用したギャンブルです。投資と投機とは、株式などの道具を共通にしていても、サイクリングと競輪が自転車という道具以外に共通性がないのと同じように、全く異なるものです。しかし、なぜ、人は、サイクリングに行こうとして、競輪にはまるのか。 投資信託 金利生活
20191024 金融庁が保護すべき投資の素人 金融庁にとって、資産形成のための投資信託の普及は最重点施策ですが、国民一般の投資に関する経験や知識が不足しているなかで、金融機関の不適切な営業行為から国民を守ることは最低限のことにすぎず、投資信託を適切に利用できないことによる機会損失から国民を守ることのほうが重要なのです。さて、国民の家計と知識経験は多様を極めるわけで、金融庁は、どのような投資の素人を、どのように守るのか。 投資信託 金利生活
20191017 投資から投機を駆逐するために 個人貯蓄の構造を預貯金中心から投資信託中心に変えていくことは、金融庁の最重点施策なのですが、金融庁は投資ではなくて資産形成という用語を使用しています。それは、金融庁の政策課題に即して、個人の投資の目的として老後生活資金形成を強調するためですが、おそらくは、投資に付きまとう投機的要素を排除するためでもあるでしょう。 投資信託 金利生活
20191010 何が投資信託の普及を妨げているのか 個人貯蓄の構造を預貯金中心から投資信託中心に転換させること、これは近時の金融行政の最大の課題なのですが、現実には少しも資金移動が生じないのです。さて、その原因として両極を考え得るでしょう、ひとつは国民の肥えた舌に合う投資信託がない、もうひとつは味覚音痴な国民には投資信託の美味さがわからない。もちろん両方とも真実でしょうが、金融庁が取り組むべき先決課題は、投資信託をおいしくすることか、国民の味覚を鍛えることか。 投資信託 金利生活
20191003 銀行の地域独占で貸出金利は上昇するのか 同一地域内の地方銀行が統合すれば、その地域内で突出した市場占有率をもつことになりますが、寡占によって競争がなくなることは、優越的な地位の濫用等の弊害を誘発するのか、それとも、不毛な競争から解放された全精力が顧客本位の業務運営に投入されて、顧客の利益の増進と地域経済の振興が実現するのか。そもそも、何をもって統合の成果といい、弊害というのか。金融庁は、いかにして成果を助長し、弊害を防止するのか。 金融行政方針
20190926 不要な生命保険はどれくらいあるのか 扶養家族をもつ家計の主体にとって、死亡保障は不可欠ですが、必要保障額は家族と家計の状況の推移に応じて変動し、扶養家族がなくなれば不要となり、他方で、医療保障や生存保障の必要性が生まれてきます。しかし、自分の死について能動的に考える人は少ないので、保険の適切な利用については、他人の助言が必要になる、それが保険の営業ですが、現在の生命保険業界において、真の保険営業がなされているのでしょうか。 保険
20190919 金融庁は存亡の危機にある地方銀行をどうするのか 地方銀行のなかには、未来へ向けた存続可能性に疑義が呈されるものもあるなかで、金融庁としては、それらの地方銀行を放置できないと判断したときは、早期警戒制度の発動へ向けて、深度のある対話を行わなくてはならないのですが、さて、諸般の客観的事由から存続基盤が消滅しつつある地方銀行について、何を話し合うのか。対話とは事実上の廃業命令に向けた儀式にすぎないのか。 金融行政方針
20190912 成長しないものに投資価値はないのか 超高齢化社会が生み出す難問に、事業承継があります。後継者がないままに経営者が引退すると、廃業しか道がなくなるため、伝承すべき貴重な技能等が失われる、地域経済の縮小を招く等の悪影響が懸念されているのです。さて、事業承継が円滑に進まないのは、事業に成長余地がないことも大きな要因だと思われますが、成長しない事業に承継する価値はないといえるのか。 成長戦略
20190905 金融庁と日本郵便・かんぽ生命との対話はこうなる 日本郵便によるかんぽ生命の保険の不適切販売は極めて重大な事案ですから、金融庁としても、厳正な態度で臨むほかないわけですが、不正の疑いのある事案を徹底調査して行政処分したところで、問題解決にはなりませんから、検査的行為は日本郵政が設置した特別調査委員会に任せて、営業現場の暴走を招いた根本原因について深度のある対話を行うべきです。では、対話で何が議論されるべきか。 日本郵政(2014)