20190124 アマゾンが株主に仮想通貨を交付して非公開化したら アマゾンが仮想通貨を発行し、その仮想通貨と交換に全株式を取得して非公開化したら、いずれは100兆円という巨大な仮想通貨経済圏が創出される、そうなれば、実体経済の裏付けをもつ真の仮想通貨が誕生することになり、単なる賭場の開帳にすぎない現在の仮想通貨は全て一掃される、こう考えることは、空想でも妄想でもなく、近未来を展望することではないでしょうか。 仮想通貨
20190117 暗号資産に格下げされた仮想通貨の未来 金融庁が2018年12月21日に公表した「仮想通貨交換業等に関する研究会報告書」では、国際的な動向等を踏まえて、仮想通貨の法律上の呼称を暗号資産に変更するように提言されました。これには、法定通貨との誤認を避けるために通貨という名称を廃止するという背景もあり、事実上、仮想通貨から通貨の地位を奪うものといっていいでしょう。では、通貨に出世できなかった暗号資産とは何か、もはや暗号通貨の可能性は完全になくなったのか。 仮想通貨
20190110 スルガ銀行が再び夢に日付をいれる日のために スルガ銀行は、投資用不動産に関連した融資において不正な行為があったとして金融庁より厳しい業務改善命令を受け、再建途上にあるわけですが、もともと独自の顧客本位な戦略で成長してきた銀行だけに、原点へ回帰することで早急なる復活を期待したいところです。なにしろ、顧客の「夢をかたちに」し、顧客の「夢に日付を」いれるというスルガ銀行の思想は、金融機能の本質を突いた優れたものだったのですから。 スルガ銀行(2018)
20181220 日産自動車のゴーン氏が自分を処遇した方法に学ぶ 日産自動車のゴーン氏を巡る事件の行末がどうなろうと、事案の中核部分において、不適切な処理とされるもののうち、ゴーン氏に対する実質的な報酬の支払いと認定される範囲を確定することに帰着し、そのうえで関連した違法性の有無と課税関係だけが問題になるのだと思われます。さて、そのように一般化してしまえば、ゴーン氏の行動は少しも異常ではなく、むしろ、わかりやすく企業の処遇制度の本質的な論点を提示しているようです。 人的資本投資
20181213 お金はものをいう お金にものをいわせるというのは、利益誘因で人を動かすことですから、合理的な経済原則に従うことであって、何ら問題のあることではありません。しかし、札束で頬を叩くという表現にすると、下品で非難されるべき行為としての否定的な意味が付与されます。実は、ものをいっているのは、お金を与えることではなくて、札束で頬を叩くというお金の与え方なのです。お金にものをいわせるとは、お金の与え方を工夫することで、お金に金額を超えた意味や価値を付与することではないのか。 人的資本投資
20181206 日産自動車のゴーン氏が虚偽記載を指示したはずはない 日産自動車の前会長であるゴーン氏は、自己の報酬について有価証券報告書に虚偽の記載をするように指示したとして、東京地方検察庁に逮捕されたわけですが、事案の詳細が不明ななかにおいて確実にいえることは、記載すべき報酬額の算定において、ゴーン氏側と検察側とで見解に大きな相違があるということだけです。見解の相違で逮捕というのは異常ではないでしょうか。 コーポレートガバナンス
20181129 企業年金に企業の品位品格が現れる 2018年6月1日に改正施行された「コーポレートガバナンス・コード」では、初めて企業年金への言及がなされましたが、その主旨からして、企業年金が企業価値の向上に貢献すべきことを前提にしたうえで、経営者に対して、より優れた取り組みを促すものと考えられます。しかし、企業側の目立った反応がないということは、企業価値の向上における企業年金の機能が充分に理解されていないからでしょう。さて、なぜ企業年金が重要なのか。 年金基金
20181122 相手に何かを要求をするときは相手の利益を先にいえ 飛行機に乗れば、必ずシートベルトを締めろと指示されますが、商業において顧客に命令形の表現を使うことは厳に戒められることですから、安全のためにという顧客の利益を先にいうことになっています。この相手の利益優先という原則は、全ての商業、あるいは全ての人間関係に通じるものですが、実際には忠実に守られることの少ないものです。例えば、組織の長が所属員に勤勉や創意工夫を要求するのは普通として、相手の利益をいうことは稀のようですが。 金融行政方針
20181115 78歳で病院の世話になったことのない麻生太郎先生の立派な見識 麻生太郎財務大臣の発言は、表現が直截的にすぎて乱暴な印象を与えるせいか、政治的には物議を醸しやすいわけですが、経済的な側面から内容を検討する限り、理に適っている場合が多いようです。例えば、健康保険のあり方について医療費負担の公平性に言及した最近の発言なども、一部に批判があったにしても、日本の持続可能な未来社会の建設にとって重要な示唆を与える立派な見識の表明なのです。 働き方改革
20181108 金融庁は金融育成庁として何を育成するのか 金融庁は、新しい行政方針のなかで、金融育成庁への動きを加速させるとしています。加速という意味は、既に金融機関の監督を中心としてきた金融庁の行政目的が抜本的に転換されていて、金融機能の高度化によって経済の持続的成長と国民資産の安定的形成を実現することが使命とされたなかで、今後は、経済活動全体のなかに多様な形態で存在する金融機能を幅広く取り上げ、規制するよりも、育成する方向を強く打ち出したものと考えてよいでしょう。さて、何が重点的に育成されるべきなのか。 金融行政方針