20180809 なぜ野村證券はETNの早期償還を謝罪したのか 野村證券では、2018年2月6日に、「NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN」という商品の早期償還を決定したことにより、それを保有していた投資家に大きな損失を確定させるという事件がありました。事件とはいっても、法令上の問題等があるものではなく、投資に必然的に付随するリスクが顧客に不利に作用しただけであるにもかかわらず、野村證券は、7月10日になって、極めて異例な謝罪声明を公表しました。さて、その背景は何か。 フィデューシャリー・デューティー
20180802 仮想通貨で資金調達したら会計処理はどうなるのか 仮想通貨の会計的な取扱いについては、順次、整備が進んでいるようですが、仮想通貨を発行することで資金調達をしたときの会計処理については、具体的な事案がほとんどないこともあり、未整備です。しかし、最終的には法定通貨を取得するものである以上、物的な何かの売却代金のようなものか、債務的な何か、あるいは資本的な何かでなければならない理屈です。さて、どう考えるべきか。 仮想通貨
20180726 仮想通貨による資金調達は可能なのか 仮想通貨も通貨なら、いずれ仮想通貨建ての株式会社ができて株式や社債が発行されるのでしょうから、とりたてて仮想通貨による資金調達として論じるべきこともないわけです。しかし、これまでの通貨にはできなかったこと、即ち仮想通貨ならではの独自の資金調達方法が可能になるというのならば、話は別です。さて、仮想通貨を使うことで、事業資金の調達に革新が起きるのか。 仮想通貨
20180719 そもそも仮想通貨に価値はあるのか 価値のないものにも価格はつき得るので、仮想通貨に価格があって、その価格で取引されているからといって、仮想通貨に価値があるとは限りません。仮に価値があるとしても、その価値を測定する基準がないと、価格形成の妥当性を合理的に判断することができませんから、仮想通貨は投機の対象になり得ても、投資の対象にはなりません。さて、仮想通貨に価値はあるのか。 仮想通貨
20180712 奢り奢られることの仮想通貨的考察 物を贈り、また贈られることは、人と人との間にある関係を確認して強化するための儀礼です。贈答は、儀礼であって経済取引ではないとしても、物の交換であることに相違なく、交換である以上、そこに交換価値の同等性があるはずです。ならば、同等性を図る価値の尺度を想定できるわけで、仮想通貨というのは、まさに、その尺度のことではないのか。 仮想通貨
20180705 ツケで飲むことの仮想通貨的考察 ツケというのは代金を帳面に書き付けておいて後で請求することですが、いまどき、ツケで飲ませる店も、ツケで飲む人も少ないのでしょう。しかし、ツケは全く形を変えて復活する可能性が高いと思われます。形を変えてというのは、いわゆる仮想通貨という名のもとに一括されている諸概念の適用の一つのあり方としてという意味です。 仮想通貨
20180628 スルガ銀行が夢に日付をいれるやり方 スルガ銀行の個人金融事業の戦略は、顧客の「夢をかたちに」して、「夢に日付を」いれること、即ち、「対話を通してお客さまの思いを把握し、寄り添い、夢を叶えてさしあげたい」という理念に集約されていたようです。敢えて過去形にするのは、スマートデイズ社関連の問題を機に、見直しが不可避になるだろうからですが、さて、この理念のどこに事件を引き起こす要因があったのか。 スルガ銀行(2018)
20180621 金融の使命は金融を不要にすることだ 借金したい人はいないのです。借金するのは、借入金で実現したい目的があるからで、その目的が借金をしないでも実現できるなら、誰も借金しないはず。金融の利用目的に極限まで遡行し、金融によらずに目的を達成できる可能性を最大限まで追求し、なお残る金融固有の領域、それを明らかにしない限り、金融の未来を語ることはできません。さて、金融に未来はあるのか。 金融の脱構築
20180614 スルガ銀行の何がいけないのか 住宅ローンを欲しい人はいません。欲しいのは住宅です。金融は、それ自体としての意味や目的をもたず、金融の外にある本来の目的を実現するための手段にすぎないのですから、金融機能を使わなくても目的を実現できるのであれば、金融は不要です。しかし、事態は容易に転倒します。金融は自己の存立のために目的を創造しようとし、その逸脱の結果、危機に陥る、それが金融の歴史です。そして、その不幸な歴史に、スルガ銀行が新たなページを書き加えたようです。 スルガ銀行(2018)
20180607 ラーメン産業に投資する方法 ラーメン産業は日本の食文化に確固たる地位を築き上げていて、長い行列のできる店も珍しくなく、大いに繁栄しているようにみえます。しかし、その産業の発展を支えてきたのは苛烈極まりない競争環境であって、新規開業から1年足らずで閉鎖に追い込まれる店も数多あるわけです。さて、この事態を投資の視点でみるならば、個社の高い破綻確率を上手に制御し、産業としての収益性と成長性に如何にして参画するかという課題に整理されますが、さて、その答えは。 金融の脱構築