20150409 ゆうちょ銀行に銀行としての価値はない 日本郵政の企業価値にとって、傘下のゆうちょ銀行の企業価値が占める比重は極めて大きい、おそらくは、大方の見方は、そうなっているのではないでしょうか。実際、日本郵政の連結利益は、ゆうちょ銀行の利益に大きく依存していますし、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の親子同時上場という計画も、そうした市場の評価を前提にしているようですが、さて、本当に、そうか。 日本郵政(2014)
20150402 企業年金と運用機関の不適切な関係 企業年金の資産は、専らに、受益者、即ち、従業員や年金受給者の利益のために、運用されなくてはなりません。企業年金は、自身によって資産運用を行うのではなく、専門の運用機関に運用委託することとされていますので、専らに受益者の利益のために、最善の運用機関を選び、選ばれた運用機関は、専らに受益者の利益のために、運用を行わねばなりません。これは法律の要請ですが、さて、現実はどうか。 年金基金
20150326 投資信託の販売が単なる手数料稼ぎに堕さないために 投資信託の販売については、顧客と金融機関との間に大きな情報量の差がある以上、顧客の利益にそぐわない営業が行われうる、これが金融庁の基本認識です。なかでも特に問題視されるのが、手数料や系列関係にとらわれた営業姿勢です。さて、投資信託は、金融機関の単なる手数料稼ぎなのか、そうでないことを証明するためには、何が、どう、是正されなくてはいけないのか。 投資信託 金利生活
20150319 企業年金と母体企業の不適切な関係 企業年金は、従業員の退職一時金の支払いや退職後の年金給付を行うための財源を確保する仕組みです。退職一時金や退職後年金は、現役時代の勤労に対する対価として、法律的に、給与の後払いとしての性格を認定されたものですから、その受益者の権利の裏付けとなる資産は、企業経営の支配の及ばないところで、科学的に推計された給付原資相当額を維持しつつ、適切に管理運用されなくてはいけません。さて、その実態はどうか。 年金基金
20150312 なぜ宝くじの広告は許されるのか 電車の中吊りやテレビの宣伝などに氾濫していた、あの宝くじの広告、なぜ、あのような射倖心を煽る派手な広告が社会的に許されていたのか。金融商品の広告ならば、確実に違法となるはずの表現が堂々と踊っていたのは、なぜか。それが、現在では、穏健な表現に転じたのは、なぜか。潜在的批判を意識したものなのか。 アートな投資
20150305 日本郵政の親子上場を認めていいのか 日本郵政の親子上場を認めるかどうかは、取引所の判断です。それを禁じている自主規制もないのですから、取引所が問題ないと判断すれば、それでいいのです。しかし、親子上場には、問題性も指摘されているのですから、全くの無条件で認めてしまうのは、取引所の立場としても、おかしいはずです。では、どのような条件を充足すればいいのか。 日本郵政(2014)
20150226 迫りくる銀行の危機 銀行というのは、預金者からお金を借りて、法人等へお金を貸すことで、利鞘を得る商売です。要は、安く借りて、高く貸す、そこに尽きてしまいます。では、借りる金利と貸す金利が同じになってしまったら、ましてや、貸す金利のほうが低くなってしまったら、どうなるか。いま、銀行業の基礎を揺るがす本質的な危機が迫っているのではないか。 成長戦略
20150219 投資信託の販売会社の責任 投資信託の販売会社には、いうまでもなく、「金融商品取引法」等に基づく法定の責任が課せられます。しかし、最低限の法律上の責任を果たすことで、販売会社としての真の社会的責任を果たしたことになるのか。それで、投資信託の受益者である投資家の真の利益は守られるのか。なぜ、金融庁は、販売会社に「フィデューシャリー・デューティー」を求めているのか。 投資信託 金利生活
20150212 公的年金は相互扶助なのだから 相互扶助は、扶助を受ける立場になるかどうかわからないから、万が一に備えて、相互に助け合う仕組みです。扶助を受ける立場になれば、自分の掛け金の元が取れますが、それを喜ぶのはおかしいですし、自分が扶助を受ける立場にならなかったら、自分の掛け金は戻ってきませんが、それを損と考えることもおかしい。年金制度も相互扶助のはずですが、さて理屈は同じでしょうか。 保険
20150205 保険の未来とバンドリングの高度化 生存を付保対象の事故とした生存保険が、年金保険です。そこでは、早死にする人が長生きする人を助ける。死亡を付保対象の事故とした死亡保険が、普通の生命保険です。そこでは、長生きする人が早死にする人を助ける。保険は、ただのこれだけの相互扶助です。さて、これからの保険は、この単純にして不変の原理の上に、どのような付加価値を創造できるというのか。 保険