20140410 信託受託者の忠実義務を徹底的に考える 信託の受託者の忠実義務というのは、受託者は、信託の本旨にのっとり、専らに受益者の利益のために行動しなければならないという厳格な規律です。さて、この「専らに受益者の利益のために」の意味を、徹底的に掘り下げて解するとき、本来の信託の理念が明瞭に見えてくる、そのような主張をなそうということですね。 フィデューシャリー・デューティー
20140403 信託に厳格な受託者責任を課すために 信託に厳格な受託者責任を課すために、そのような表題を掲げること自体が、日本では、多様な信託の利用のなかで、受託者責任が厳格には履行されていないことを認めるようなものですけれども、なぜ、そのような状態が放置されているのか、その問題性を明らかにしようということですね。 フィデューシャリー・デューティー
20140327 ファンドのディレクターとトラスティー ディレクター(Director)は法人形態のファンドの取締役、トラスティー(Trustee)は信託(トラスト)形態のファンドの受託者です。敢えて、それを、片仮名で表現するのは、英米法の理念に引き付けて検討しようということですから、何が日本法では問題なのかを、英米法との対比で明らかにしようということですね。 フィデューシャリー・デューティー
20140320 国際金融センターへの挑戦と信託 安倍政権は、成長戦略進化のための今後の検討方針として、「国際金融センターとしての地位確立への挑戦」という課題をあげています。「挑戦」という用語は、実現の困難性を前提にしているものでしょうから、実効性を求められる政策課題としては、極めて異例な語法です。さて、この挑戦に勝機ありや。 フィデューシャリー・デューティー
20140313 GPIF改革、あるいは投資家の内部統治と信託 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産運用改革が政治の大きな問題になっています。公的年金給付の裏付けになる資産の運用のあり方は、国民の年金受給権を守ることを専らに考えて、決定されねばなりません。さて、GPIFは、国民の信託に応えて、受託者としての責任を果たせるのか。 年金基金
20140306 投資信託は本当の信託なのか 投資信託は信託です。しかし、それは、信託法の特則として、特別法によって設定された信託だから信託なのだという意味にすぎないのか。投資信託は、主に個人投資家の便益のために利用されるわけですが、そこでは、真の信託の機能として、受益者である投資家の利益保護の仕組みが貫徹しているのか。投資信託は本当の信託なのか。 フィデューシャリー・デューティー
20140227 投資詐欺事件における信託銀行の責任 AIJという会社による投資詐欺事件がありました。普通ならば犯罪者だけが非難されるべきところ、年金基金は被害者になったことで非難され、投資運用業界は内部から詐欺師をだしたことで非難されるという異常な展開となるなかで、重要な関連当事者であった信託銀行の責任は論じられませんでした。 フィデューシャリー・デューティー
20140220 信託の合同運用における法創造 信託の合同運用というのは、複数の異なる信託に属する資産について、一括して運用することで効率性を高めるために、別に共通の信託を作って、そこに統合して委託する仕組みです。企業年金の資産運用のための年金信託では、事実としては、古くから多用されてきた一方で、法律論としては、当初から議論がありました。 フィデューシャリー・デューティー
20140213 信託の受託者の忠実義務 信託の受託者には、専らに受益者の利益のために行動しなければならないという厳しい規範が課せられます。この行為規範が忠実義務です。忠実義務は、信託という制度を根底において支える理念的要請であり、また信託法にも明示される法定の義務です。さて、その実質的内容とは何でしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20140206 金融危機さなかの信託銀行批判 1997年11月24日、山一證券の野澤社長は、「みんな私らが悪いんであって、社員は悪くありませんから」という有名な涙の記者会見を行い、自主廃業を発表しました。この11月は、先に三洋証券と北海道拓殖銀行が相次いで破綻しており、日本の金融の大きな転換点となった深刻な危機の開始を告げたときです。 フィデューシャリー・デューティー