20130530 厚生年金基金を守る戦いの真意 現在存続している厚生年金基金は、様々な業界団体の支持のもとに運営されてきたものであり、そこには膨大な数の従業員と退職者の保護されるべき経済的権利が存在しています。政府はその厚生年金基金を、充分な説明も代替策の提示もなく事実上の廃止に追い込もうとしているのです。基金存続を求める背後の理念について、改めて論じます。 厚生年金基金(2012)
20130521 アートに投資する投資のアート アートは投資対象になり得るのでしょうか。アートは金のような信用制度の基盤を持っておらず、また単に保有していても、それだけではキャッシュを生みません。審美眼のあるお金持ちにとっては趣味と実益を兼ねた面白い投資対象かもしれませんが、責任ある投資家の投資対象としては、無理があるようです。 アートな投資
20130516 企業は誰のものか 「企業統治論」第二弾。企業は誰のものか――これは企業統治論の核心となる問いです。企業は果たして、株主のものなのか、全ステークホルダーのものなのか。あるいは、そもそも企業は誰のものかなどと問うことが不毛なのでしょうか。企業論的、哲学的両方の見地から、「所有」の問題を考えます。 コーポレートガバナンス
20130509 企業の資金調達の目的と企業統治論 新シリーズ、「企業統治論」。今回は、資金調達の問題を通じて、企業統治論へつなげようという試みです。企業が資金調達を行うに際しては、資金使途が明確でなくてはなりません。具体的な使途もないのに金利が低いので社債を発行しておこうとか、多額の現金を留保し続けるというのは、企業財務の技術的問題ではなく、企業統治論の本質的問題です。 コーポレートガバナンス
20130425 「赤いダイヤ」の小豆先物が投資対象になり得るわけ 商品先物というと、相場師の世界のようでいかにも投機という感じです。しかし現在では、マネッジドフューチャーズという名前のもとに、社会的責任を負う投資家にとっての普通の投資対象になっています。今回は、梶山季之の小説『赤いダイヤ』を題材に、投機と投資の微妙な関係を読み解きます。 アートな投資
20130418 オプション取引は賭博か 新テーマは「デリバティブ」。今回は、オプションのような射倖契約が正当な金融取引として成り立つための条件を検討します。金融取引としてのオプション取引は、金融関連法規のなかで金融機関の業務として定められている限り正当な経済取引ですが、任意な相対取引として構成できる広義なオプション契約の全てが正当な金融取引かについては一考を要します。 アートな投資
20130411 厚生年金基金は自己の存在意義を社会に提示せよ 厚生労働省は、厚生年金基金の社会的意義を正しく認めていません。厚生年金基金に意義があるかどうかは、最終的には国会が決める、即ち国民が決めることです。厚生労働省の意見だけでなく、様々な観点からの意見を元に、一人一人がその意義を評価していかなければいけません。 厚生年金基金(2012)
20130404 「株には手を出すな!」の発想からの株式投資 「株は危ないから、手を出すな」。これは、株は投機だという教えです。一方で、株式を使った資金調達は、産業金融に不可欠なものですし、株式投資は、社会的責任を負う機関投資家にとって、当たり前のものです。さて、株式は投資なのでしょうか、投機なのでしょうか。弊社代表。・森本紀行が株式投資の基本理念を改めて語ります。 株式投資
20130327 ジャパンディスプレイは産業革新機構なしでもあり得たか 株式会社ジャパンディスプレイは、ソニー、東芝、日立製作所の中小型ディスプレイ事業を統合して、2012年4月1日に発足した新しい会社です。この事業統合の核になったのは「官民ファンド」の代表格の産業革新機構ですが、これが安倍政権の経済政策の中核に座るのはなぜでしょうか。 成長戦略
20130321 競争なくして成長なし、では競争があれば成長するのか 3月5日、公正取引委員会の委員長に杉本和行氏が就任。就任時の記者会見で、杉本新委員長は、「競争なくして成長なし」ということを強調しました。今回は、「競争なくして成長なし」の本質的意味を考えます。 成長戦略