20130627 借換えで債務を弁済することは本当に弁済なのか 金融の世界の有名な難問が、資本性の融資です。資本性の融資というのは、銀行等が連続的な借換えに応じることで、事実上、半永久的な貸付けも同然と化した融資のことです。これは、期日における確実な回収という融資の基本中の基本から、逸脱しているのではないのか。今回は、この難問をとり上げます。 成長戦略
20130619 住宅金融と生涯生活設計 住宅購入における資金調達は、生涯生活設計において重大な問題です。生活資金のなかの最大の費目になりがちな住宅費用を金融的に合理化できれば、大いに便利といわざるを得ません。今回は、ホームエクイティを計画的に取り崩す仕組み、"リバースモーゲージ"を中心とした論考です。 成長戦略
20130612 住宅金融あれこれ 新カテゴリ「住宅金融」。住宅金融ほど、人間の生活と金融機能が密着したものはありません。周辺に関連した大きな分野をもっているため、金融の社会的機能の分析にとっても、金融技法の検討にとっても重要な題材です。住宅金融から提起される問題を探っていきましょう。 成長戦略
20130606 成長なきところ投資なし 投資が投資としての収益を生むためには、投資対象において、何か新たなる価値が創出されるのでなければなりません。そもそも、投資収益とは、新たに創出される価値の配分だからです。もしも成長が新たなる価値の創出のことならば、投資の本質は成長のための原資の供給だということになります。 コーポレートガバナンス
20130530 厚生年金基金を守る戦いの真意 現在存続している厚生年金基金は、様々な業界団体の支持のもとに運営されてきたものであり、そこには膨大な数の従業員と退職者の保護されるべき経済的権利が存在しています。政府はその厚生年金基金を、充分な説明も代替策の提示もなく事実上の廃止に追い込もうとしているのです。基金存続を求める背後の理念について、改めて論じます。 厚生年金基金(2012)
20130521 アートに投資する投資のアート アートは投資対象になり得るのでしょうか。アートは金のような信用制度の基盤を持っておらず、また単に保有していても、それだけではキャッシュを生みません。審美眼のあるお金持ちにとっては趣味と実益を兼ねた面白い投資対象かもしれませんが、責任ある投資家の投資対象としては、無理があるようです。 アートな投資
20130516 企業は誰のものか 「企業統治論」第二弾。企業は誰のものか――これは企業統治論の核心となる問いです。企業は果たして、株主のものなのか、全ステークホルダーのものなのか。あるいは、そもそも企業は誰のものかなどと問うことが不毛なのでしょうか。企業論的、哲学的両方の見地から、「所有」の問題を考えます。 コーポレートガバナンス
20130509 企業の資金調達の目的と企業統治論 新シリーズ、「企業統治論」。今回は、資金調達の問題を通じて、企業統治論へつなげようという試みです。企業が資金調達を行うに際しては、資金使途が明確でなくてはなりません。具体的な使途もないのに金利が低いので社債を発行しておこうとか、多額の現金を留保し続けるというのは、企業財務の技術的問題ではなく、企業統治論の本質的問題です。 コーポレートガバナンス
20130425 「赤いダイヤ」の小豆先物が投資対象になり得るわけ 商品先物というと、相場師の世界のようでいかにも投機という感じです。しかし現在では、マネッジドフューチャーズという名前のもとに、社会的責任を負う投資家にとっての普通の投資対象になっています。今回は、梶山季之の小説『赤いダイヤ』を題材に、投機と投資の微妙な関係を読み解きます。 アートな投資
20130418 オプション取引は賭博か 新テーマは「デリバティブ」。今回は、オプションのような射倖契約が正当な金融取引として成り立つための条件を検討します。金融取引としてのオプション取引は、金融関連法規のなかで金融機関の業務として定められている限り正当な経済取引ですが、任意な相対取引として構成できる広義なオプション契約の全てが正当な金融取引かについては一考を要します。 アートな投資