20121226 脱原子力は原子力以上にバンカブルではない 原子力発電事業は、原理的にはバンカブルではありません。しかし、産業金融の王道とも言える制度的な工夫が、それをバンカブルなものにしていました。一方、電気を生まず、故に売り上げを持たない脱原子力は、そもそも産業金融の対象にすらなりません。電力自由化が提案されている今、我々が確認すべき点はどこにあるでしょうか。 原子力発電の行方(2011)
20121220 原子力発電はバンカブルではない バンカブルとは、バンク(銀行)の融資対象になり得るという意味です。原子力発電事業に対し、銀行として融資できるかどうかは、銀行が原子力発電にかかわる危険を受け入れることができるかにかかっていますが、現状から、果たしてどのような結論が導き出せるでしょうか。 原子力発電の行方(2011)
20121213 危険なコンクリート構造物は高速道路だけではない 危険な国有施設は、経年劣化で天井板が崩落した中央自動車道笹子トンネルだけではありません。国有に限らず公有施設も含めて、全ての施設について、建替え等の更新のための財源が用意されていないからです。長期的視点の欠如の要因は、単年度予算を基礎とする、公会計のシステムに見出すことができそうです。 中央自動車道トンネル事故問題(2012)
20121206 中央自動車道トンネル事故の政府責任 12月2日、中央自動車道上り線笹子トンネル(山梨県)の天井板が崩落し9人が死亡した事故について、業務上過失致死傷容疑で警察の捜査が開始されました。事故原因は施設の劣化にあるとみられ、改修を怠ってきた施設管理者の責任が問われることになりましたが、その責任の本質はどこにあるのでしょうか。 中央自動車道トンネル事故問題(2012)
20121129 東京電力なしで電気事業政策は成り立つのか 今やほとんどの政党が脱原子力を政策に掲げていますが、その実現へ向けた経済的、および技術的な施策を作り実行する機能と能力を、十分に備えた政党は無いように思われます。日本の明るい未来を支える電気事業を構想する能力が、今の日本にあるのでしょうか。 東京電力問題(2011)
20121122 経済成長期の産業金融と企業年金の役割を再興せよ 日本の高度経済成長の裏には、緻密に設計された産業金融の仕組みがありました。当時の代表的な企業年金制度である厚生年金基金も、その重要な一翼を担っていたといえます。過去の成功から、我々は何を学ぶことができるでしょうか。 年金基金
20121115 東京電力の「再生への経営方針」にみる政府の欺瞞 11月7日に、「再生への経営方針」を公表した東京電力。そこには「事故の責任を全うし、世界最高水準の安全確保と競争の下での安定供給をやり抜く」との決意もありますが、総じて経営の危機的状況を訴える色彩が強く漂っています。「当社のみでは力の及ばない規模の財務リスク」が発生している状態とは、一体何を示すものでしょうか。 東京電力問題(2011)
20121108 貸せない先に貸してこその銀行 銀行には大量の融資案件がきますから、審査の効率化は大切なことです。効率性だけでなく、審査基準の客観性と透明性も大事です。そうすると、どうしても財務諸表などの数値情報の解析による審査に大きな比重がかかるようになる。でも本当は、その数値解析から漏れる要素を拾ってこそ、「産業金融の王道」を貫けるのではないでしょうか。 成長戦略
20121101 金融の革新と人的資本経営の極限 日本の国際競争力は、人的資本経営に求められます。「堅い」資産は劣化して価値が減少するだけですが、「柔らかい」人的資本は成長し価値を増すからです。真の生産性向上の秘密を、今こそ見極めなければなりません。今回は、「人」から「日本の明るい未来」を考えます。 成長戦略
20121025 電気事業の自由化と技術革新における金融の働き 「産業金融の王道」第四弾。現在、電気事業の不確実性が大きくなっている背景には、密接に関連した二つの要因、即ち、技術革新と規制緩和が働いています。今回は、電気事業の未来について、技術革新という側面から検討します。 成長戦略