20200220 たかが金融が偉そうなことをいっていいのか 人類は、驚異的な科学技術の発展を実現したにもかかわらず、あるいは実現したが故に、生存環境の危機、絶えざる武力衝突、不合理な差別と格差などの基本的な社会問題を解けずにいて、しかし常に解こうと努力してきました。そして、今では、その努力のなかで金融の果たすべき役割が論じられるのですが、さて、たかが金融が社会問題の解決などと偉そうなことをいっていいのか。 ESG/SDGs
20200213 金融界に残された道は官製談合だけだ 金融界の現実には、一方で、古い金融機能の供給能力過剰のもとで、過当競争による構造不況に陥っている面があり、他方で、構造不況による消耗した体力のもとで、新しい金融機能への創造的投資が十分になされていない面があります。この状況を打開するためには、金融行政が積極的に介入して、旧分野における競争制限と計画的な供給能力の削減を断行し、新分野の開発における協調を主導すべきではないでしょうか。 金融行政方針
20200206 納税する義務から寄付する権利へ 公共的な機能を維持する費用は、税金によって賄うだけではなく、税制優遇措置を拡大させることで寄付を奨励することによっても調達できます。国民間の様々な差異にかかわらず、全ての国民に等しく遍く提供されるべきものについては、税金によるのが適当でしょうが、逆に国民間の様々な差異が尊重されるべきものについては、寄付によるほうが適当ではないでしょうか。 成長戦略
20200130 ヒトでなしの顧客にモノを売ってどうする 事業においては、顧客があるのではなく、顧客の求めるモノがあるのです。そして、モノ消費からコト消費への転換が進むなかでは、顧客の求めるモノすらなく、顧客が求めているコトしかないのです。しかし、産業界の伝統的な思考形態は、ヒトとしての顧客にモノを売るという枠組みのなかにあるようです。さて、いかにして発想の転換は可能になるのか。 成長戦略
20200123 ゴーン氏が工夫を凝らした繰延報酬に開示義務はあったのか 日産自動車は、1月16日に、東京証券取引所に「改善状況報告書」を提出し、その内容を公表しました。ゴーン氏の不正行為とされる事案については、少なくとも現時点での状況を鑑みる限り、この報告書以上の情報が公になることはあり得ませんから、その範囲内で、改めて、ゴーン氏は自らの報酬について有価証券報告書への虚偽記載を指示したのか検討してみましょう。 コーポレートガバナンス
20200116 お金を貯めて殖やして何が楽しいのだ 国民の安定的な資産形成は金融庁の最重点施策ですが、そこでは、形成された資産は生活のために取り崩されることが前提になっていますから、資産形成とは、お金を貯めて殖やすことであるよりも、お金が殖えた分を豊かに消費することだといえます。こうして、資産形成は、生活に密着した消費目的との関係でなされることであって、お金を貯めるために貯め、殖やすために殖やすことでは決してないのです。 金利生活
20200109 もう金融庁のいう顧客本位は古い 金融庁は金融機関に対して顧客本位の徹底を求めていますが、そもそも顧客とは何でしょうか。金融に限ったことではありませんが、顧客が問題なのではなく、顧客の求めるものだけが問題なのですから、真の顧客本位とは、顧客の求める金融機能を顧客の利益の視点で的確適正に提供することであって、金融庁が金融機関に求めるべきは機能本位の徹底なのではないでしょうか。 金融行政方針
20191226 夢を見る能力のない人は投資するな 金融庁は、豊かな老後生活のための原資を形成する手段として、投資信託の普及を熱心に図っていますが、その意図は、公的年金で最低生活が保障されているとの前提で、各人が自分固有の豊かさを夢見て、それに必要な原資を貯めて、貯めるだけではなくて殖やす努力をすべきだという提言です。さて、一般に、お金で実現したい夢があり、より大きく夢を実現したいからこそ、お金を殖やす努力もあるのではないでしょうか。 金利生活
20191219 金融庁に真実を語る金融機関はない 金融庁は、ここ数年、行政手法を抜本的に改革し、金融機関を上から統制する姿勢を放棄して、金融機関と対等の立場で対話するとしていますが、金融が高度規制業であり、金融庁が規制当局である限り、論理的に対等性はあり得ません。そこで、金融庁は心理的安全性というものを援用して対等たろうとするのですが、さて、心理的安全性とは何なのか。 金融行政方針
20191212 倹約するな 金融庁の老後2000万円報告書は、思いがけない経緯で有名になり、多くの国民に老後生活の経済的基盤を考えさせる契機を与えて、金融庁の意図は曲がった形で実現したのですが、曲げられてはならない重要な点は、金融庁が描いたのは老後における質素な倹約生活ではなく、倹約しない豊かな消費生活であり、そのための財源の確保だったということです。 成長戦略