20191219 金融庁に真実を語る金融機関はない 金融庁は、ここ数年、行政手法を抜本的に改革し、金融機関を上から統制する姿勢を放棄して、金融機関と対等の立場で対話するとしていますが、金融が高度規制業であり、金融庁が規制当局である限り、論理的に対等性はあり得ません。そこで、金融庁は心理的安全性というものを援用して対等たろうとするのですが、さて、心理的安全性とは何なのか。 金融行政方針
20191212 倹約するな 金融庁の老後2000万円報告書は、思いがけない経緯で有名になり、多くの国民に老後生活の経済的基盤を考えさせる契機を与えて、金融庁の意図は曲がった形で実現したのですが、曲げられてはならない重要な点は、金融庁が描いたのは老後における質素な倹約生活ではなく、倹約しない豊かな消費生活であり、そのための財源の確保だったということです。 成長戦略
20191205 出世しなくて何が悪い 会社員たるもの、出世することを目標に懸命に働くべきだという考え方は、現代社会において未だに普通なのでしょうか、それとも異常なものになりつつあるのでしょうか。少なくとも働き方改革においては、働き方の多様性が許容されていくわけですから、最初から出世を放棄した働き方もあり得るわけですが、さて、そもそも出世とは何なのでしょうか。 働き方改革
20191128 無職で何が悪い なぜ人は自分の何たるかを説明するときに職業をもってするのでしょうか。そのとき、年金受給者、働く必要のない資産家、専業主婦は無職なのでしょうか、それとも年金受給、財産管理、家事という職業に従事している人なのでしょうか。そもそも職業とは何でしょうか、所得の源泉でしょうか、専門的知見や技術でしょうか、むしろ生きがいの源泉であるべきではないでしょうか。 働き方改革
20191121 金融機関の勧誘行為を禁止しろ 資金を必要とする人が金融機関に借りに行き、金融機関は融資によって顧客の必要を満たす、この受動的立場が金融機関の基本姿勢であって、金融機関が能動的に融資の勧誘を行うことは、病院が癌の手術の勧誘をしたり、弁護士が離婚訴訟の勧誘をしたりするのと同じように、原理的に、あり得ないことです。では、なぜ、現実の金融界においては、投資信託や保険の積極的な販売が当然視され、融資の勧誘すらなされているのでしょうか。そこに規制は必要ないのでしょうか。 金融行政方針
20191114 金融規制の強化による顧客本位の徹底 ここ数年来、金融庁は、最重点施策として、金融機関に顧客本位の業務運営を徹底させるべく努めてきていて、それなりの成果を生んでいるわけですが、依然として顧客の利益に反した問題事象も少なくないとみられ、金融界の根本的な構造改革には至っていません。さて、これまで規制による強制を意識的に避けてきた金融庁なのですが、やはり、規制が必要なのではないか、規制するとしたら、どこに的を絞るべきか。 金融行政方針
20191107 お役に立った投資信託といえるために 金融というのは、顧客が支出しなければならない資金量と、現に顧客の手元にあって支出可能な資金量との差を調整する機能であって、手元資金の不足に応えるのが融資、余剰に応えるのが資産形成、そして、資産形成の道具が投資信託です。融資が役に立っていることに説明は不要ですが、投資信託については、役に立っているかどうか全く不明ですから、普及するはずもなく、さて、どうしたら有用なものとして認知され得るのか。 投資信託 金利生活
20191031 投資しようとして投機してしまう人のために 投資は、株式などを通じて産業活動に資金を投じ、その活動が生み出す付加価値の還元を受けることですが、投機は、株式などの価格の変動を利用したギャンブルです。投資と投機とは、株式などの道具を共通にしていても、サイクリングと競輪が自転車という道具以外に共通性がないのと同じように、全く異なるものです。しかし、なぜ、人は、サイクリングに行こうとして、競輪にはまるのか。 投資信託 金利生活
20191024 金融庁が保護すべき投資の素人 金融庁にとって、資産形成のための投資信託の普及は最重点施策ですが、国民一般の投資に関する経験や知識が不足しているなかで、金融機関の不適切な営業行為から国民を守ることは最低限のことにすぎず、投資信託を適切に利用できないことによる機会損失から国民を守ることのほうが重要なのです。さて、国民の家計と知識経験は多様を極めるわけで、金融庁は、どのような投資の素人を、どのように守るのか。 投資信託 金利生活
20191017 投資から投機を駆逐するために 個人貯蓄の構造を預貯金中心から投資信託中心に変えていくことは、金融庁の最重点施策なのですが、金融庁は投資ではなくて資産形成という用語を使用しています。それは、金融庁の政策課題に即して、個人の投資の目的として老後生活資金形成を強調するためですが、おそらくは、投資に付きまとう投機的要素を排除するためでもあるでしょう。 投資信託 金利生活