20190214 資本主義は滅んで遊ぶ人の新コミュニズムになる 働き方改革は、その字義通りに、雇う組織ではなく、働く人を主役にした改革でなければなりません。なぜなら、働き方改革は成長戦略であり、成長の源泉である創造は、組織の次元ではなく、働く個人の次元でしか起き得ないからです。では、創造は、いかにして働く人に起きるのか、いかにして組織の革新につながるのか、個人を主役にした新たなる組織統治の原理とは何なのか。 働き方改革
20190207 働き方改革は遊び方改革だ 働き方改革という言葉は、組織を主語にした雇い方改革ではなくて、働く人を主語にしたものですから、先に人の働きがあって、その集積が組織の成果になるということでなければなりません。組織があって、組織に所属する人があるのではなく、人があって、人の集合が組織を構成するとき、そこに組織の統一と統治をもたらす原理は、文化と呼ばれるものではないのか、そして文化とは遊ぶことではないのか。 働き方改革
20190131 成功事例に学ぼうとするやつは亀を抜けないアキレスだ 古来、アキレスと亀の話は有名です。亀がアキレスよりも少し先のところを歩いているが、アキレスが追い抜こうとしても、抜くことはできないという逆説で、古代ギリシャの哲学者エレアのゼノンに帰せられています。アキレスならずとも、誰だって普通に走れば亀を抜けるに決まっていますが、抜けなくなるのは亀を基準に走るからです。このことは、企業経営において真の革新の意味を考える際に、重要な示唆を与えるものです。 働き方改革
20190124 アマゾンが株主に仮想通貨を交付して非公開化したら アマゾンが仮想通貨を発行し、その仮想通貨と交換に全株式を取得して非公開化したら、いずれは100兆円という巨大な仮想通貨経済圏が創出される、そうなれば、実体経済の裏付けをもつ真の仮想通貨が誕生することになり、単なる賭場の開帳にすぎない現在の仮想通貨は全て一掃される、こう考えることは、空想でも妄想でもなく、近未来を展望することではないでしょうか。 仮想通貨
20190117 暗号資産に格下げされた仮想通貨の未来 金融庁が2018年12月21日に公表した「仮想通貨交換業等に関する研究会報告書」では、国際的な動向等を踏まえて、仮想通貨の法律上の呼称を暗号資産に変更するように提言されました。これには、法定通貨との誤認を避けるために通貨という名称を廃止するという背景もあり、事実上、仮想通貨から通貨の地位を奪うものといっていいでしょう。では、通貨に出世できなかった暗号資産とは何か、もはや暗号通貨の可能性は完全になくなったのか。 仮想通貨
20190110 スルガ銀行が再び夢に日付をいれる日のために スルガ銀行は、投資用不動産に関連した融資において不正な行為があったとして金融庁より厳しい業務改善命令を受け、再建途上にあるわけですが、もともと独自の顧客本位な戦略で成長してきた銀行だけに、原点へ回帰することで早急なる復活を期待したいところです。なにしろ、顧客の「夢をかたちに」し、顧客の「夢に日付を」いれるというスルガ銀行の思想は、金融機能の本質を突いた優れたものだったのですから。 スルガ銀行(2018)
20181220 日産自動車のゴーン氏が自分を処遇した方法に学ぶ 日産自動車のゴーン氏を巡る事件の行末がどうなろうと、事案の中核部分において、不適切な処理とされるもののうち、ゴーン氏に対する実質的な報酬の支払いと認定される範囲を確定することに帰着し、そのうえで関連した違法性の有無と課税関係だけが問題になるのだと思われます。さて、そのように一般化してしまえば、ゴーン氏の行動は少しも異常ではなく、むしろ、わかりやすく企業の処遇制度の本質的な論点を提示しているようです。 人的資本投資
20181213 お金はものをいう お金にものをいわせるというのは、利益誘因で人を動かすことですから、合理的な経済原則に従うことであって、何ら問題のあることではありません。しかし、札束で頬を叩くという表現にすると、下品で非難されるべき行為としての否定的な意味が付与されます。実は、ものをいっているのは、お金を与えることではなくて、札束で頬を叩くというお金の与え方なのです。お金にものをいわせるとは、お金の与え方を工夫することで、お金に金額を超えた意味や価値を付与することではないのか。 人的資本投資
20181206 日産自動車のゴーン氏が虚偽記載を指示したはずはない 日産自動車の前会長であるゴーン氏は、自己の報酬について有価証券報告書に虚偽の記載をするように指示したとして、東京地方検察庁に逮捕されたわけですが、事案の詳細が不明ななかにおいて確実にいえることは、記載すべき報酬額の算定において、ゴーン氏側と検察側とで見解に大きな相違があるということだけです。見解の相違で逮捕というのは異常ではないでしょうか。 コーポレートガバナンス
20181129 企業年金に企業の品位品格が現れる 2018年6月1日に改正施行された「コーポレートガバナンス・コード」では、初めて企業年金への言及がなされましたが、その主旨からして、企業年金が企業価値の向上に貢献すべきことを前提にしたうえで、経営者に対して、より優れた取り組みを促すものと考えられます。しかし、企業側の目立った反応がないということは、企業価値の向上における企業年金の機能が充分に理解されていないからでしょう。さて、なぜ企業年金が重要なのか。 年金基金