20171116 責任なきところ投資成果なし 投資は、自己財産のことならば、自己責任ですから、自分で好きに決めて勝手にやればいいことです。損をしても、たまに儲けても、自分で決めたことには納得できます。ところが、他人の財産を、職務によって、また組織として、運用するとなると、責任の構造は根本的に変わります。自己責任なら簡単に決断できることを、組織としての責任のもとで、いかにして意志決定なされ得るのか。 投資のプロフェッショナル
20171109 新・三井住友銀行で一番売れている投資信託 現在、三井住友銀行で一番売れている投資信託は、「SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド」というものです。三年前に同行で一番売れていた投資信託と比較するとき、そのあまりの変化に驚きます。この三年間、金融庁が強力に推進してきた投資信託改革ですが、この新商品、さても、その顕著な成果といえるのか。 投資信託 金利生活
20171102 金融なぞ所詮は虚業なのだから 融資を受ければ、利息の支払いという負の価値が生まれます。その負の価値が金融の実態です。融資を受けた企業は資金を事業に投下して正の価値を生み、その正の価値が金融の負の価値を上回るからこそ、金融は成立するにすぎません。実業の影にあるものとして、虚業といわれる所以です。さて、金融は、所詮は虚業ならば、極力目立たないように心掛け、必要最小限の役回りに徹するべきではないか。 金融の脱構築
20171026 金融のフィデューシャリーを目指す働き方改革 フィデューシャリーは、英米法の専門家だけが知る特殊な言葉だったのですが、三年前に金融庁の施策を表現するものとして採用されたことから、今では金融界で知らぬもののない流行語になりました。これは専らに顧客の利益のために働く人を意味していて、弁護士や医師を思い浮かべればいいのですが、それだけに、金融機関に働く人をフィデューシャリーと呼ぶことの違和感は強烈です。強烈な違和感をもって有名となったフィデューシャリー、さて、金融行政の狙いは何か。 働き方改革
20171019 金融のプロフェッショナルを目指す働き方改革 金融庁がいう顧客本位を徹底していくと、金融機関本位が消滅して、金融機関に働くプロフェッショナル本位が現れてきます。なぜなら、金融とは、顧客と、顧客を担当する金融のプロフェッショナルとの間に、共通価値を創造することだからです。そこに創造された価値は、結果的に金融機関の利益となるのです。金融機関は、ついに、主役の地位を顧客とプロフェッショナルに譲り渡す、これが顧客本位の本質です。 働き方改革
20171012 金融における顧客本位な働き方改革 金融庁は、金融機関に対して顧客本位な業務運営を求めているのですが、顧客本位は、金融機関本位の否定として、金融機関に働く人本位をも意味するのではないでしょうか。顧客本位のもとで、顧客の利益のために働くことは、金融機関のなかで自立した立場を確保するのでなければ、貫徹し得ないと考えられるからです。これぞ真の働き方改革ですが、さて、いかにして可能なのか。 働き方改革
20171005 金融機関が顧客に質問するのは愚行である 少しまとまった預金があるとして、銀行員から使途の有無を聞かれて、まともに答える人はいません。決まった使途がないといえば、どうせ、外貨預金だの、投資信託だの、保険だのと売りつけられるに決まっているからです。金融の営業では、顧客本位の名のもとに、顧客の意向の確認が重視されるのですが、下手に問うことは、問う動機を暴露して警戒させるだけです。では、上手に問うとは、どういうことか。 金融の脱構築
20170928 金融の営業では、お金を語るな、夢を語れ 融資は、お金の話ではなくて、資金使途である実業の話です。住宅ローンは、お金の話ではなくて、住むことの必要性を充足するための一つの選択肢の話です。ゼロ金利のときに、預金は、お金を貯めるものではなくて、決済手段であり、金庫替りです。生命保険は、お金ではなくて、生活保障です。損害保険は、お金ではなくて、失われたものの填補です。故に、金融の営業で、お金の話をするなかれ。 金融の脱構築
20170921 金融における不毛なソンタクを豊饒な対話に転換するために 金融界は重篤なソンタク病に侵されています。顧客は金融機関の意向をソンタクし、金融機関は金融庁の意向をソンタクします。そこで、病魔克服のために、金融庁は、金融機関との対話を目指し、金融機関には顧客との対話を求めています。では、ソンタクを廃して、対話を可能にする条件とは何か。 金融行政方針
20170914 金融機関が顧客に質問して正しい答えを得る方法について 顧客からの質問に対して商人が正しく答えないと、商業はなりたちませんが、逆に、商人が顧客に質問をしたとしても、顧客には質問に答える理由など全くないのです。今、金融界では、顧客本位の徹底の名のもとに、顧客の欲しいものを聞きだして、それに適切に応えようとする動きがありますが、顧客からまともな回答を得られると思っているところで、既に、勘違いがあるようです。 フィデューシャリー・デューティー