20170824 銀行には顧客を賢くする義務がある 商業の一般原則として、より大きな社会的付加価値を創造してこそ、より大きな利益を得ることができることは、近江商人の「三方よし」を引き合いに出すまでもなく、常識に属することです。銀行業も例外ではなく、付加価値を大きくするために、顧客の視点に立って、よりよいものを提案することで、よりよいものを求める顧客の需要を創造していく必要があります。さて、銀行は、この基本に忠実であり得るのか。 フィデューシャリー・デューティー
20170817 投資におけるインパクトとは何か 資本主義経済は、資本の自律的な運動のみによっては、持続的な成長と富の公正な分配を実現できません。そこで、国家の積極的な介入による軌道修正が必要とされるのですが、それとても、日本の現実に象徴されるように、機能の限界に達しつつある感を否めません。そこで、新たに求められてくるのが社会的インパクト投資です。さて、インパクトとは何か。 成長戦略
20170803 金融界よ、法令遵守の迷妄から目覚めよ 企業価値を守るためには、法令遵守の徹底は必須の要件です。法令違反の事実が公表されれば、確実に企業価値は毀損され、無に帰することもあるからです。しかし、法令遵守は最低限の要件にすぎないので、そこから企業価値が生まれることはありません。そもそも、法令遵守を理念として謳うこと自体、法令遵守されていない現実を暴露するようで、滑稽ではないでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20170727 銀行にみるソンタク文化の病理 つまらない政治問題から、忖度という言葉に注目が集まりましたが、言葉としては限りなく死語に近づいていたソンタクも、蘇生のきっかけとなった事案をみてもわかるように、慢性かつ悪性のソンタク病として、日本社会の深いところを侵し続けてきたのです。改革なくして成長なし、ソンタク病あっては改革なし、さても、この病魔の克服は可能なのか。 フィデューシャリー・デューティー
20170720 顧客本位な金融機関は、そうでない金融機関に負けるのか 顧客本位は金融庁が強力に推進する施策ですが、その実現については、新しい行政手法の実践として、法令等の強制力のあるルールの策定は行われず、全て金融機関の自治自律に委ねられています。故に、可能性としては、真面目に顧客本位に取り組む金融機関の顧客に対して、顧客本位を口先だけでいう金融機関が攻勢をかける、あるいは、その逆の構図もあり得るわけですが、さて、勝ち目は、どちらにありや。 フィデューシャリー・デューティー
20170713 銀行と顧客のなれ合いを断て 銀行は、あれこれ批判を受けることがあっても、一定の社会的信用を有していて、顧客の信頼も得ていることに間違いはありません。同時に、融資のことを信用の供与というように、銀行業は、顧客を信用し、信頼しない限り、成立しないものです。さて、この相互信頼は緊張関係であるべきですが、実態は、甘えの関係に堕しているのではないでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20170706 年金基金の資産運用にコンサルタントは必要なのか 一般には知られていないことですが、企業年金や公的年金の資産運用では、コンサルタントの利用が普及しています。これは日本だけのことではなく、むしろ日本は米国等の海外の仕組みに倣ったのです。さて、なぜコンサルタントが必要なのか、確かに歴史的には重要な意義があったのですが、今、資産運用の高度化が求められるなかでは、かえってコンサルタントが有害である可能性もあるのではないか。 年金基金
20170629 顧客に甘える金融機関は淘汰される 顧客から信頼されること、そして、その信頼を守ること、これは全ての商売の基本ですが、目に見える実物を扱うのではない金融においては、なおさらに大切なことです。信頼を裏切ることはできないという規範意識が弛緩し、いつしか信頼に甘え、はては信頼を利用するに至った金融機関は直ちに淘汰される、そうでなければ顧客の利益は守られないのではないでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20170622 口先だけの顧客本位で淘汰される金融機関とは 金融庁の森信親長官は、最近、ある講演で、「顧客本位を口で言うだけで具体的な行動につなげられない金融機関が淘汰されていく市場メカニズムが有効に働くような環境を作っていくことが、我々の責務」と述べて、金融界を震撼させました。さて、森長官がいう口先だけの顧客本位とは、具体的に、どういう事態を指すのか。 フィデューシャリー・デューティー
20170615 高齢者に対する正しい資産管理営業 金融庁は、国民の安定的な資産形成を重点施策に掲げて、資産運用関連事業の急速かつ大胆な改革を強力に推進しています。資産形成の名のもとに主として想定されているのは、勤労層の老後生活資金の形成ですから、既に老後生活に入っている高齢者については、形成済みの資産を管理運用するものとして、異なる視点のもとで検討されなくてはならないはずです。さて、金融機関の対応は、どうあるべきか。 フィデューシャリー・デューティー