20170928 金融の営業では、お金を語るな、夢を語れ 融資は、お金の話ではなくて、資金使途である実業の話です。住宅ローンは、お金の話ではなくて、住むことの必要性を充足するための一つの選択肢の話です。ゼロ金利のときに、預金は、お金を貯めるものではなくて、決済手段であり、金庫替りです。生命保険は、お金ではなくて、生活保障です。損害保険は、お金ではなくて、失われたものの填補です。故に、金融の営業で、お金の話をするなかれ。 金融の脱構築
20170921 金融における不毛なソンタクを豊饒な対話に転換するために 金融界は重篤なソンタク病に侵されています。顧客は金融機関の意向をソンタクし、金融機関は金融庁の意向をソンタクします。そこで、病魔克服のために、金融庁は、金融機関との対話を目指し、金融機関には顧客との対話を求めています。では、ソンタクを廃して、対話を可能にする条件とは何か。 金融行政方針
20170914 金融機関が顧客に質問して正しい答えを得る方法について 顧客からの質問に対して商人が正しく答えないと、商業はなりたちませんが、逆に、商人が顧客に質問をしたとしても、顧客には質問に答える理由など全くないのです。今、金融界では、顧客本位の徹底の名のもとに、顧客の欲しいものを聞きだして、それに適切に応えようとする動きがありますが、顧客からまともな回答を得られると思っているところで、既に、勘違いがあるようです。 フィデューシャリー・デューティー
20170907 銀行に本当のことを話す顧客はいない 銀行から融資を受けている中小企業の社長は、個人として債務の保証人になっているので、万が一に備えて自分の財産を隠しておく誘因をもちます。その社長のところに同じ銀行の営業が個人財産の運用の提案に行っても、本当のことを聞き出せるとは到底思えません。ある程度の資産をもつ人は銀行を複数に分けていることが多く、その顧客の預金総額がいくらか、そのうちの一つの銀行は知り得ません。さて、このようなことで、銀行は真の顧客本位を実現できるのか。 金融の脱構築
20170831 無価値な銀行において銀行員が価値を生むために 商人とは、顧客の求めに応えるものです。これは、商業の定義そのものであって、銀行業も例外ではないはずです。経済は需要優先ですから、商業の発展は、顧客が求めるものが高度化するにつれ、それに応える供給側の商人の創意工夫を誘発することで、実現されてきたのです。ならば、銀行の未来は、顧客の視点で創意工夫が生まれてくるように、組織の仕組みを改めることにかかってくるのではないか。 金融の脱構築
20170824 銀行には顧客を賢くする義務がある 商業の一般原則として、より大きな社会的付加価値を創造してこそ、より大きな利益を得ることができることは、近江商人の「三方よし」を引き合いに出すまでもなく、常識に属することです。銀行業も例外ではなく、付加価値を大きくするために、顧客の視点に立って、よりよいものを提案することで、よりよいものを求める顧客の需要を創造していく必要があります。さて、銀行は、この基本に忠実であり得るのか。 フィデューシャリー・デューティー
20170817 投資におけるインパクトとは何か 資本主義経済は、資本の自律的な運動のみによっては、持続的な成長と富の公正な分配を実現できません。そこで、国家の積極的な介入による軌道修正が必要とされるのですが、それとても、日本の現実に象徴されるように、機能の限界に達しつつある感を否めません。そこで、新たに求められてくるのが社会的インパクト投資です。さて、インパクトとは何か。 成長戦略
20170803 金融界よ、法令遵守の迷妄から目覚めよ 企業価値を守るためには、法令遵守の徹底は必須の要件です。法令違反の事実が公表されれば、確実に企業価値は毀損され、無に帰することもあるからです。しかし、法令遵守は最低限の要件にすぎないので、そこから企業価値が生まれることはありません。そもそも、法令遵守を理念として謳うこと自体、法令遵守されていない現実を暴露するようで、滑稽ではないでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20170727 銀行にみるソンタク文化の病理 つまらない政治問題から、忖度という言葉に注目が集まりましたが、言葉としては限りなく死語に近づいていたソンタクも、蘇生のきっかけとなった事案をみてもわかるように、慢性かつ悪性のソンタク病として、日本社会の深いところを侵し続けてきたのです。改革なくして成長なし、ソンタク病あっては改革なし、さても、この病魔の克服は可能なのか。 フィデューシャリー・デューティー
20170720 顧客本位な金融機関は、そうでない金融機関に負けるのか 顧客本位は金融庁が強力に推進する施策ですが、その実現については、新しい行政手法の実践として、法令等の強制力のあるルールの策定は行われず、全て金融機関の自治自律に委ねられています。故に、可能性としては、真面目に顧客本位に取り組む金融機関の顧客に対して、顧客本位を口先だけでいう金融機関が攻勢をかける、あるいは、その逆の構図もあり得るわけですが、さて、勝ち目は、どちらにありや。 フィデューシャリー・デューティー