20170323 その投資信託を売る君よ、自分でも買いたいと思うか 投資信託を運用しているもの、また、それを顧客に販売しているものは、自分が関与する投資信託に自分でも投資したくて現に投資しているのか、あるいは、投資目的の違いや資金不足等で投資してはいないけれども、顧客の立場に身をおいたときには、心よりの真実の願いとして投資したいと思えるのか。そうでないのに、顧客に販売することは、商業道徳に悖るのではないか。 フィデューシャリー・デューティー
20170316 東芝は消滅、東芝の事業は不滅 東芝という企業など、破綻して消滅しようが、解体しようが、どうなったところで、東芝の事業が継続し、顧客と取引先に迷惑がかからず、雇用も継続する限り、金融的に多少は面倒なことがあるにしても、社会全体にとっては大きな問題ではありません。逆に、社会全体にとって最大利益になるように、東芝問題を処理すべきなのですが、さて、何か別の理屈が働いてはいないか。 コーポレートガバナンス
20170309 これが金融庁のいう顧客本位だ 金融庁のいう顧客本位の業務運営とは、金融機関本位を顧客本位に改めることだけでなく、顧客満足を顧客本位に改めることも含みます。さて、この顧客本位の理念について、どれだけの金融機関が平易な言葉の裏にある真の意味を理解し、その前提となる自律的統制への転換に真剣にとり組んでいるのか。 フィデューシャリー・デューティー
20170302 長期投資は短期投資の無期限連続 単名のころがしなどといって、短期の手形貸付の書替継続を繰り返すことで実質的な長期貸付にすることの当否が論議されたりもします。しかし、期日の到来するたびに期日を延ばすことは、期限を設けないということであって、長期ではありません。無期限と長期とは次元の異なる概念ですが、よく混同されます。では、重要性がいわれる長期投資の長期とは、長期なのか、無期限なのか。 投資哲学
20170223 銀行は消滅、信金・信組は不滅 株式会社の銀行と信用金庫や信用組合のような協同組織金融機関とは、表面的には同じ業務を行っているようにみえて、背後の理念においては、本質的に異なるものです。なぜなら、協同組織は、設立基盤となっている構成員間の相互扶助原理に基づき、共同体としての共通価値の創造を目的にして、金融機能を提供しているからです。 金融の脱構築
20170216 ポピュリズムを克服した東京電力の成長戦略 経済産業省は、昨年の12月20日に、「東京電力改革・1F問題委員会」の報告書として「東電改革提言」を公表しました。内容は理に適ったもので、なるべくしてなる結論です。それにしても、ここに達するのに、福島の事故から6年近い時間を要したことは惜しまれます。これもまた、流行りのポピュリズムの弊害なのでしょうか。 東京電力問題(2011)
20170209 銀行死す、銀行員よ、死の覚悟をもて 銀行は、ついに歴史的使命を終えつつあります。そして、もうすぐ、規模と数の縮小が始まり、いずれ遠くない将来には、消滅に向かうのです。この展望のもとで、今、銀行員はどうすべきか、どうすることで自分の未来を確かなものにすることができるのか。この未曾有の危機を転じて機会にするためには、死の覚悟をもって金融の本質を直視するほかないのではないか。 金融の脱構築
20170202 金融のない社会のほうが望ましい 病気の治療法の進化よりも、病気に罹らない方法の開発のほうが望ましいことです。犯罪がなくなって警察が不要になるほうが、警察機能の強化よりも望ましいことです。同様に、金融の高度化よりも、金融を必要としない社会のほうが望ましいのではないか。あるいは、金融機能の進化とは、金融を消滅させる方向にあるのではないのか。 フィンテック
20170126 金融はロボットにやらせるべきか 顧客本位ということは、顧客の利益の視点で、その需要が生まれてきた背景にまで遡って、目的に対する合理性のもとで、最適な商品やサービスを提案して供給することです。だとすると、真の顧客本位を貫くためには、処理しなければならない情報量が多くなり、目的合理性と最適性の推計も高度に複雑になるでしょうから、人工知能の導入が必要になるかもしれません。さて、ロボットのほうが人よりも顧客本位になるのか。 フィンテック
20170119 顧客満足に反してこその金融 金融庁は、顧客本位ということを、金融機関に求めているのですが、背景の事情を理解しない一般の人からすれば、行政の施策にするまでもなく、商業の常識だということになるでしょう。しかし、金融庁は、顧客本位をもって、単なる顧客満足としているわけではなく、金融も含めて、世の商売では、顧客満足の名のもとに、顧客本位に反したことが行われがちであることを問題視しているのです。 フィデューシャリー・デューティー