20160915 麻生太郎先生の「よほどやばい」発言の含蓄 麻生太郎副総理は、日本国民の意識として、「何となく債券、株に投資するのは危ないという思い込みがある。あれは正しい」としたうえで、「われわれの同期生で証券会社に勤めているのは、よほどやばいやつだった」と述べられたようです。先生特有の乱暴すぎるくらいに明快な発言ですが、実は、意外に、深い含蓄がありはしないでしょうか。 金融の脱構築
20160908 銀行の食文化革命 銀行経営は、これから、大きく変貌します。社会的責務の大きさ故に、経営を律する厳格な枠組みが必要であることには、何ら変わりはありませんが、それは、他律的な規制や、従来型のリスク管理を超えて、自律的なリスクアペタイトフレームワークと呼ばれるものに置き換わるでしょう。アペタイトとは食欲ですが、さて、銀行の新たな食文化の醸成とは、どのようなことか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160901 銀行よ、カネに豊かな色をつけてみよ カネに色がないならば、カネを商材にしている銀行において、どうして差別化が可能なのか。そもそも、無色透明の一般的なカネを、無色透明なカネとして扱うことで、どうして付加価値を生み得るのか。銀行は、カネに色をつけることで、本源的な付加価値を生み、色の違いという差別化を競うものではないのか。ならば、銀行よ、カネに個性豊かな色をつけて、世の中を明るくしてみよ。 成長戦略
20160825 銀行が預金をやめるとき 銀行に限らず、預金取扱金融機関は、預金を受け入れることができるという特権の上になりたっているのですが、同時に、その特権によって、最高度に規制されてもいるわけです。さて、現在の社会経済環境において、預金という特権は、銀行機能にとって、必須のものなのか、預金なくしても、銀行機能は、よりよく実現されるのではないのか、むしろ、特権を放棄することで、経営の自由度を確保するほうが得策なのではないのか。 金融の脱構築
20160818 銀行がなくなる日に、銀行機能は甦る 銀行がなくなっても、銀行が提供している金融機能が残る限り、何ら問題はなく、そのことで金融機能の利用者にとっての利便性が向上するのならば、銀行のない社会のほうが望ましいわけです。要は、銀行でなければ決して提供し得ないような機能、即ち、銀行の絶対的な存在意義はあるのか、あるのなら、その意義を再確認すべきだし、ないのならば、高度規制業としての銀行を廃止し、各金融機能の提供を完全に自由化するべきではないのか。 金融の脱構築
20160804 賢者のリスクテイク、愚者のリスク管理 投資の本質は、事業固有のリスクをとることです。そこには、当然に、付随するリスクがあって、故に、リスク管理が必要なのですが、投資の本質においてとられたリスクは、そのリスク管理の対象でないことは自明です、つまり、投資には、次元の全く異なる二種類のリスクがあるのです。ところが、この二つは、常に混同されてきました。今、改めて二つを峻別するとき、賢者のリスクテイクとしての本来の投資のあり方がみえてきます。 投資のプロフェッショナル
20160728 創造的な闘争としての金融のリスクテイク 金融といえども、事業であるかぎり、顧客の視点における価値創造という目的遂行のためには、とるべきリスクは必ずとるのですから、金融のリスク管理は、とるべきリスクではなく、それに付随するリスクと、それに反するリスクだけを対象にしているはずですが、現実には、常に越権して、事業本来のリスクテイクに介入しようとします。故に、金融では、リスクテイクを貫徹して、事業目的を遂行するために、リスク管理に対する闘争が必要なのです。 リスクアペタイトフレームワーク
20160721 なぜキヤノンのマスゾエ的行為は批判されないのか 舛添前東京都知事は、「違法ではないが不適切」と認定された行為によって、痛烈な批判を浴びて辞任に追い込まれましたが、東芝メディカルシステムズを買収するに際してキヤノンがとった手法についても、公正取引委員会が同様の認定をしたにもかかわらず、なぜ、キヤノンに対しては、目立った批判がなされていないのでしょうか。 コーポレートガバナンス
20160714 金融におけるリスクカルチャーの醸成 金融機関の経営においては、これまで、徹底したリスク管理の高度化が行われてきたのですが、その結果として、金融機能は、必ずしも高度化したわけでもないようです。その理由は、表層的な数値管理の高度化が追求されるなか、金融機関の存在意義を賭けて行うリスクテイクの理念が見失われ、その能力の減退を招いたからでなはないのか。故に、今、リスクテイク能力の再強化のために、新しいりスク管理の枠組みが求められる、それがリスクカルチャーの醸成ではないのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160707 金融における本源的リスクテイクとリスクアペタイトフレームワーク 金融機関の経営において、事業目的遂行のために自覚的にとるリスクは明確にされているのか、その本源的リスクテイクは、それに必要とされる自己資本に対して、適正な利潤を生んでいるのか、本源的リスクテイクに付随するリスクは、適切に制御されているのか、本源的リスクテイクからの逸脱を阻止できるガバナンスは確立しているのか、要は、こうした問いに明確な答えを与えるものとして、リスクアペタイトフレームワークは機能しているのか。 リスクアペタイトフレームワーク