20160728 創造的な闘争としての金融のリスクテイク 金融といえども、事業であるかぎり、顧客の視点における価値創造という目的遂行のためには、とるべきリスクは必ずとるのですから、金融のリスク管理は、とるべきリスクではなく、それに付随するリスクと、それに反するリスクだけを対象にしているはずですが、現実には、常に越権して、事業本来のリスクテイクに介入しようとします。故に、金融では、リスクテイクを貫徹して、事業目的を遂行するために、リスク管理に対する闘争が必要なのです。 リスクアペタイトフレームワーク
20160721 なぜキヤノンのマスゾエ的行為は批判されないのか 舛添前東京都知事は、「違法ではないが不適切」と認定された行為によって、痛烈な批判を浴びて辞任に追い込まれましたが、東芝メディカルシステムズを買収するに際してキヤノンがとった手法についても、公正取引委員会が同様の認定をしたにもかかわらず、なぜ、キヤノンに対しては、目立った批判がなされていないのでしょうか。 コーポレートガバナンス
20160714 金融におけるリスクカルチャーの醸成 金融機関の経営においては、これまで、徹底したリスク管理の高度化が行われてきたのですが、その結果として、金融機能は、必ずしも高度化したわけでもないようです。その理由は、表層的な数値管理の高度化が追求されるなか、金融機関の存在意義を賭けて行うリスクテイクの理念が見失われ、その能力の減退を招いたからでなはないのか。故に、今、リスクテイク能力の再強化のために、新しいりスク管理の枠組みが求められる、それがリスクカルチャーの醸成ではないのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160707 金融における本源的リスクテイクとリスクアペタイトフレームワーク 金融機関の経営において、事業目的遂行のために自覚的にとるリスクは明確にされているのか、その本源的リスクテイクは、それに必要とされる自己資本に対して、適正な利潤を生んでいるのか、本源的リスクテイクに付随するリスクは、適切に制御されているのか、本源的リスクテイクからの逸脱を阻止できるガバナンスは確立しているのか、要は、こうした問いに明確な答えを与えるものとして、リスクアペタイトフレームワークは機能しているのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160630 リスクに、おいしい、まずい、はあるのか 今、日本の金融規制のあり方は、大きく変わろうとしています。それを受けて、金融機関の経営管理のあり方も、抜本的な転換を求められています。そのなかで、注目されているのがリスクアペタイトフレームワークです。さても、リスクに対する食欲とは、どういうことか。リスクは、金融機関の食物なのか。リスクに、おいしい、まずい、はあるのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160623 金融におけるディリスキングとリスクシェアリング 金融も含めて、事業の本質は、リスクをとることです。ただし、通常の事業においては、とられたリスクの顕在化は想定されておらず、経営の能力において、リスクの顕在化を阻止できる前提になっているはずです。ならば、金融におけるリスク管理も、通常、考えられているように、リスクの顕在化を前提として、それに防御壁をもって静的に備えるものではなく、本当は、リスクの顕在化を動的に阻止する攻撃的な能力の開発なのではないのか。 リスクアペタイトフレームワーク
20160616 金融における「動的な監督」とリスクアペタイトフレームワーク 不確実な未来へ賭けること、つまり、リスクをとることは、全ての事業の本質ですが、特に、金融においては、その社会的機能の重要性と、故に厳格に規制されている現実を反映して、最高度に発達したリスク管理態勢がとられてきました。では、技術的に高度なリスク管理は、リスクをとる能力の高度化をもたらしたのか、逆ではないのか、ならば、金融における真のリスク管理とは何か。 リスクアペタイトフレームワーク
20160609 カネは、モノに換えない限り、太らない マイナス金利というのは、事実として現に起きていることですが、資本主義経済体制を支える原理の根幹にかかわる問題であって、早急に解消することが必要です。そのためには、わざわざ費用をかけてカネをもつくらいなら、カネをモノに換えたほうが得だ、即ち、カネを使い切るほうが得だというマインドが生じなければならない、それがデフレマインドからの脱却の意味ですが、さて、どうすれば、そうなるのか。 成長戦略
20160602 モノを借りても買っても、費用は同じ 住宅は借りるのが得か、買うのが得か、これは、誰しもが考える難問です。しかし、金融理論的には、住むという機能において、経済効果、あるいは経済価値が同じものは、等価でなければならない以上、借りても、買っても、費用は同じでなければならないはずです。しかし、現実には、等費用になりません。では、理論と現実の差を、どう考えるべきか。 金融の脱構築
20160526 金融機関にとっての規制遵守のインセンティブ 金融庁の森長官は、4月13日の「静的な規制から動的な監督へ」と題する講演で、「規制当局が自分自身で銀行を経営できるわけではありません。規制は銀行に適切なインセンティブをもたらすのでなければうまく機能しません」と述べています。ここで、森長官は何を意味したのか。金融機関が規制を遵守するインセンティブとは何か。 金融行政方針