20160602 モノを借りても買っても、費用は同じ 住宅は借りるのが得か、買うのが得か、これは、誰しもが考える難問です。しかし、金融理論的には、住むという機能において、経済効果、あるいは経済価値が同じものは、等価でなければならない以上、借りても、買っても、費用は同じでなければならないはずです。しかし、現実には、等費用になりません。では、理論と現実の差を、どう考えるべきか。 金融の脱構築
20160526 金融機関にとっての規制遵守のインセンティブ 金融庁の森長官は、4月13日の「静的な規制から動的な監督へ」と題する講演で、「規制当局が自分自身で銀行を経営できるわけではありません。規制は銀行に適切なインセンティブをもたらすのでなければうまく機能しません」と述べています。ここで、森長官は何を意味したのか。金融機関が規制を遵守するインセンティブとは何か。 金融行政方針
20160519 金融庁は「規制の虜」になるのか 金融庁の森長官は、4月13日の「静的な規制から動的な監督へ」と題する画期的な講演で、日本の新しい金融行政手法である「銀行等との対話」の意義を熱く語るなかで、日本の外の従来型の規制手法を支持する人による「当局が銀行と対話をすればregulatory captureのリスクが高まる」という主張に言及されています。さて、金融庁は、金融機関との対話によって、「規制の虜」になってしまうのか。 金融行政方針
20160512 学資ローンの条件を学業の成績で決めるフィンテック 今、学生の奨学金のあり方が問題となっているようですが、公的な制度としての奨学金を離れて、自由な民間の金融として、学資ローンを考えてみるとき、フィンテックに関連して論じられる金融の本質がみえてくるようです。つまり、債務者が積極的に自己に関する情報を提供することの利益誘因の問題です。 フィンテック
20160428 森金融庁長官の熱き思いに金融界も熱く応えよ 金融庁は、森長官のもと、金融行政の革命的転換を、強力に、かつ急速に、推進しています。そのなかで、金融規制がはたすべき機能も大きく変わろうとしているのですが、逆に、被規制側の金融界は、この変革に十分に対応できていないようにみえます。さあ、金融界よ、森長官の燃えたぎる情熱に、もっと熱き思いで応えようではないか。 金融行政方針
20160421 弁護士はフィデューシャリーとして喜んで成仏すべきか 今、金融界では、フィデューシャリーとしての義務が非常に注目されています。実は、フィデューシャリーの代表は弁護士なのですが、そこでは、専らに社会のために働いて、かろうじて生活が維持でき、最後に成仏できれば、それでいいではないかという成仏理論を唱える人もいます。さて、フィデューシャリーとして生きることは、金融機関としても、弁護士としても、経済的に報われないのか。 フィデューシャリー・デューティー
20160414 高浜原子力発電所の運転停止は「権利のための闘争」の勝利なのか 大津地方裁判所が関西電力高浜原子力発電所の運転禁止を命じたことについては、運転禁止仮処分を申立てていた住民の立場からすれば、人格権を守るための闘争における法的正義の勝利なのだと思われますが、関西電力の立場からすれば、正規な法定手続きを踏んだうえで稼働していた発電所を停止せしめられたことは、不法の極みということにならざるを得ません。さて、理は、どちらにあるのか。 原子力発電の行方(2011)
20160407 高浜原子力発電所停止に伴う損失は誰が負担すべきか 大津地方裁判所が運転禁止を求める仮処分申立てを認める決定をしたことにより、正式な法定手続きを経て稼働中の高浜原子力発電所が運転停止に追い込まれるという異常な事態となっています。この停止によって生じる経済的損失は極めて大きなものになると予想されますが、その公正公平な負担は、どうあるべきなのか。 原子力発電の行方(2011)
20160331 素人裁判官が原子力発電所の運転禁止を命じてもいいのか 大津地方裁判所が関西電力高浜原子力発電所3号機および4号機の運転を禁止する仮処分申立てを認める決定をしたことについては、直ちに、科学技術的に素人の裁判官の判断によって、科学技術的に玄人の原子力規制委員会等の判断を否定できるのかという疑問を生じさせます。さて、素人裁判官は、いかにして社会的公正の実現に寄与し、また、社会的利益を損なうのか。 原子力発電の行方(2011)
20160324 高浜原子力発電所の運転禁止仮処分は不当かつ非合理である 大津地方裁判所は、3月9日に、関西電力高浜原子力発電所3号機および4号機の運転を禁止する仮処分の申立てを認めました。さても、政府の定めた最高度に科学技術的な基準を満たして再稼働していた原子力発電所を、科学技術的知見をもたない裁判所の判断で停止せしめるとは、どういうことか。 原子力発電の行方(2011)