20160317 産業界よ、カネを使い切れ、マイナス金利なのだから 日本銀行が踏み切った「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」は、はたして、有効なのか。この金融政策の背景に、デフレマインドからの脱却を目指す意図のあることは明瞭ですが、金融政策に可能なのは、デフレマインドからの脱却を加速させることだけで、デフレマインド自体を転換させることはできないのです。ならば、政策が有効であるためには、何が必要なのか。 成長戦略
20160310 金融機関の規制されたがり病の克服について 金融は、高度に規制された産業ですが、事業の性格上、その現実を変えることは不可能です。しかし、規制には弊害もあるわけで、金融界の活力の減退や、創造性の喪失など、規制目的に反した結果すら招来しかねません。そこで、今、金融庁は、弊害是正のために、規制手法の歴史的な大転換を強力に推進しているのですが、旧規制に慣れ親しんできた金融機関は、いかにして、規制されたがり病を克服するのか。 金融行政方針
20160303 みずほの資産運用改革、ここまで徹底したらどうだ みずほフィナンシャル・グループは、2月12日に、主要金融グループとしては初めて、「〈みずほ〉のフィデューシャリー・デューティーに関する取組方針」を公表し、資産運用関連業務の高度化へ向けて、歴史的に重要な第一歩を踏み出しました。みずほよ、どうせ改革するなら、徹底的にやって、日本の業界秩序を根底から覆し、資産運用の覇者を目指すべきではないか。今後の展開に、大いに期待していますぞ。 フィデューシャリー・デューティー
20160225 丸山議員の「奴隷が大統領になるなんて」発言に説明責任を課す病理 17日の参議院憲法審査会で、丸山和也参議院議員が「今、アメリカは黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ、はっきり言って」と発言したことについて、菅官房長官は、18日の衆議院予算委員会において、説明責任を果たす必要があるという認識を示しました。さても、このような不適切な発言の釈明についてまで、説明責任という用語が使われるべきなのか。これは、もはや、何にでも説明を求める病理ではないのか。 コーポレートガバナンス
20160218 すごいぞ、みずほ、資産運用改革の旗手になれ みずほフィナンシャル・グループは、2月12日に、「〈みずほ〉のフィデューシャリー・デューティーに関する取組方針」を公表しました。金融庁がフィデューシャリー・デューティーの徹底を求めたことに呼応し、主要金融グループの一角において、こうした自主自律的な対応が率先してなされたことは、中長期的企業価値の向上を目指す金融機関経営への転換、および、金融機関の自律性を重視する金融行政手法の革新を象徴するものとして、歴史を画するものです。すごいぞ、みずほ。 フィデューシャリー・デューティー
20160210 資産運用に携わる君よ、組織の反対を押し切れるか 業務としての資産運用は、組織としてなされるにしても、個別具体的な投資対象の選定や、売買の時期などは、組織の合意ではなく、現場のプロフェッショナル個人の決定に帰属します。ならば、その個人の決定に対しては、当然に、組織の内部に、反対の意見もあり得るわけです。さて、資産運用に携わる君よ、その反対を押し切ってまで、自分のプロフェッショナルとしての誇りと意志を貫けるか。 投資のプロフェッショナル
20160204 銀行は、ヒトにではなく、モノとコトに貸したらどうだ 銀行等の融資は、法人と個人、つまり、ヒトを対象にしています。これは、利息支払いと元本弁済の裏付けとして、ヒトの経済活動を通じた現金の稼得を前提にしているからです。ならば、一歩を進めて、現金の稼得力があるのなら、ヒトでなくとも、モノでもコトでも、融資の対象になるはずです。さて、伝統的なヒトに対する融資に比べて、何が変わるのか。 金融の脱構築
20160128 資産運用に携わる君よ、賭けているか 資産運用は、本質的に、不確実な将来に対する賭けの要素を含みます。過去の事実の延長において論理的に推論できることには、限界があるからです。論理を超えた判断は、定義により、賭けです。また、合議は合理的な根拠の共有を前提にしている以上、組織としての賭けはあり得ません。賭けは、個人の孤独な営為です。さあ、資産運用に携わる君よ、賭けているのか、賭けられるのか。 投資のプロフェッショナル
20160121 いっそ銀行に住宅仲介をやらせるか 住宅ローンは、熾烈な競争の結果、もはや、金融機関として、利益がでる事業なのか、疑わしいところまで、金利が低下しましたが、その裏で、どれだけの住宅が新しく供給されたのか、それも、疑わしいのです。なぜなら、住宅ローン競争とは、多くは、金融機関間の借換え競争だからです。こうして、金融としての社会的機能を失いつつある住宅ローン、抜本的改革は不可避ですが、例えば、住宅仲介との統合はあり得るのか。 金融の脱構築
20160114 決して潰しませんという銀行の確約 企業経営に浮沈はつきものです。故に、銀行にとって、多くの融資先企業のなかには、少数とはいえ、経営不振に陥り、破綻の危機に瀕するものがでることは、避け得ません。このとき、古くから銀行経営の究極の難問とされてきたことは、どこまで破綻回避へ向けた支援をするのかということです。さて、決して潰さないという確約は、銀行にとって可能なのか。 成長戦略