20160107 銀行は、カネではなくて、モノを貸したらどうだ 資金を調達しようとする企業には、当然に、資金使途があります。それが設備等を購入する目的ならば、資金を借りるのではなくて、モノ自体を借りることによっても、目的は実現します。資金供給側としても、銀行等から資金を融資する以外に、リース会社を通じてモノを貸す方法もあり得ます。さて、カネかモノか、貸す側、借りる側、それぞれの利益と都合は何か。 金融の脱構築
20151224 投資運用業の君よ、悲しくはないか 日本の投資運用業の現状について、金融庁は、大いに憂慮するところあって、業界に対して、「資産運用の高度化」を求めるに至りました。高度化という以上、現状の程度の低さが前提されているわけですが、さて、そこまでいわれて、素知らぬ顔の君よ、黙って下を向く君よ、悲しくはないか、誇りあるものなら、心機一転、大奮発して、改革に取り組むべきではないか。 投資のプロフェッショナル
20151217 住宅ローンが欲しいのではない、住宅が欲しいのだ お金を借りるについては、借りる目的があります。お金を借りないでも、目的が実現できるなら、誰も、お金を借りたくないはずです。住宅が欲しいという目的が単に住みたいということなら、賃貸でもよく、ならば、住宅ローンは不要なのです。さて、銀行等の立場として、融資の申し込みに対して、どこまで、資金使途を突き詰めるべきなのか、融資しなくても、目的が実現できるときは、融資を断るべきなのか。 金融の脱構築
20151210 雨が降ったら傘を差し出す金融へ 晴れには傘を貸し、雨が降ったら傘を取り上げる、これは、銀行等の融資姿勢を皮肉った譬えとして、昔から使われているものです。企業の業況のいいときには喜んで融資をし、業況が悪化したとたんに融資を引き上げようとする銀行等の傾向については、確かに、金融の社会的機能の面から、批判的に検討する余地がありそうです。 成長戦略
20151203 金融における「企業単位の規制改革」 「企業単位の規制改革」というのは、アベノミクスの第三の矢において、新規事業の創出を促し民間投資を喚起するための重点施策に位置づけられているものです。他方で、金融庁は、「金融機関の創意工夫を引き出す」行政を掲げています。この二つの施策には、民間の創意を促すという共通性がありますが、ならば、金融においても、「企業単位の規制改革」はあり得るのか。 金融行政方針
20151126 素晴らしい、かくも立派な企業年金基金があったのか 今、ある厚生年金基金では、心機一転、制度を改め、新しい企業年金基金として再発足するために、真摯な努力がなされています。そこでは、全くの自主的な取り組みとして、企業年金の意義を根源的に問い直し、その重大なる責務の自覚のうえに、社会的付加価値の創出が目指されているのです。この素晴らしい取り組み、一人でも多くの人に知ってもらいたいのです。 年金基金
20151119 ルール遵守は金融機関の自己保身 金融は、高度に規制された産業ですから、法律以下、膨大かつ複雑な諸ルールの体系が構成されていますが、今や、その遵守は徹底されています。当然といえば当然ですが、その几帳面で厳格な履行状況は驚くべきものでもあります。では、ルール遵守で、金融機能は高度化したのか、顧客の利便性は向上したのか。 金融行政方針
20151112 金融におけるフィデューシャリー関係の成立 人が他人を信じて何かを託することは、人と人をつなぐ絆として、人間社会を成立させる根本的な行為です。他人を信じて何かを託した人は、託したことを、その他人が忠実に執行してくれることを期待します。その期待は、信頼に基づくものです。金融取引は、多くの場合、こうした信頼に基づきますが、さて、その信頼は、どの程度まで、また、どのようにして、保護されるべきでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20151105 金融機関の「お約束」を厳格に守らせるためには どの金融機関でも、非常に立派な経営理念や社是のようなものを掲げていて、そこでは、お客様本位とか、お客様の信頼に応えますとか、お客様の利益を第一にとか、同工異曲の美辞麗句が並んでいます。どうみても、所詮は、営業用のおまじないと思われますが、さて、それでいいのでしょうか、厳格な規範として、顧客に確約されるべきものではないのでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20151029 フィデューシャリー・デューティーを規制と考える金融機関に未来はない 金融庁が金融機関に対してフィデューシャリー・デューティーの徹底を求めているからといって、それは金融規制の強化ではないのです。なにしろ、金融庁からは、施策を具現化したルールなど、何一つ出されていないのですから。フィデューシャリー・デューティーは、各金融機関の自主的な取り組みとして、徹底されるのです。では、金融機関の取り組みへの誘因は何か。いうまでもなく、企業価値の向上です。 フィデューシャリー・デューティー