20150528 投資信託協会長に質す 投資信託協会の会長は、大和投資信託の社長です。他の金融商品取引法に基づく業界団体である日本証券業協会および日本投資顧問業協会では、会長職は専任ですが、投資信託協会では、会員代表者から会長を選んでいるのです。それはいいとしても、その会長が大和証券グループ本社の執行役副社長を兼職しているのは、さて、いかがなものか。 金融行政方針
20150521 三井住友信託社長のあまりにも空疎な所信 4月15日の信託大会において、信託協会長は、恒例の所信を述べています。今の会長は三井住友信託の社長ですから、そこには、同社の経営理念が引用されていて、「最善至高の信義・誠実」とあります。あまりにも立派な言葉であるが故に、誰も、実際に、それが果されているとは思わないでしょうし、事実として、果たされているとも思えません。かくも空疎な言葉を並べて所信とし、また経営理念とする神経とは、さて、いかがなものか。 金融行政方針
20150514 野村證券よ、利益相反の不存在を証明してみせよ 野村ホールディングス傘下の資産運用関連事業について、そこに利益相反の事実があることを、積極的に証明することはできないでしょう。しかし、だからといって、利益相反の事実がないことも、証明できません。なぜなら、利益相反の可能性を推認させ得る事例は、事実として、存在するからです。ただし、可能性は可能性にすぎないわけで、要は、可能性を否定できればいいのですが、さて、野村に、それができるのか。 金融行政方針
20150507 金融機関の経営者に資産運用がわかるのか 投資運用業は、自己資本を要するわけでもなく、利益相反取引の可能性を考慮すれば、銀行業、証券業、保険業との連携など考え得ないのですから、何故に、銀行や証券会社や保険会社の傘下に、または金融持株会社の下に並列して、投資運用業者があるのか。そもそも、金融機関の経営者は、投資運用業の本質を理解し、正しく経営できているのか。 金融行政方針
20150423 みずほの資産運用能力と作文能力 みずほフィナンシャルグループは、3月27日に、「グループ資産運用会社の統合について」というニュースリリースをしています。傘下に分かれて存在する資産運用業務部門を、一つの会社に統合する検討を開始するという内容のものです。そこに、フィデューシャリー・デューティーへの言及がありますが、さて、これは、言葉の上のことだけなのか。 金融行政方針
20150416 野村證券で即売止めになった投資信託 野村證券は、4月13日に、「日本企業価値向上ファンド」という投資信託の販売を一時停止すると発表しました。これは、3月25日から募集を開始したばかりの新しい投資信託だったのですが、もともと、限定追加型というもので、売止めが前提になっていました。しかも、最初から、繰上げ償還が予定されている。さて、こうした有期の投資信託というのは、真の顧客の利益のためか。 投資信託 金利生活
20150409 ゆうちょ銀行に銀行としての価値はない 日本郵政の企業価値にとって、傘下のゆうちょ銀行の企業価値が占める比重は極めて大きい、おそらくは、大方の見方は、そうなっているのではないでしょうか。実際、日本郵政の連結利益は、ゆうちょ銀行の利益に大きく依存していますし、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の親子同時上場という計画も、そうした市場の評価を前提にしているようですが、さて、本当に、そうか。 日本郵政(2014)
20150402 企業年金と運用機関の不適切な関係 企業年金の資産は、専らに、受益者、即ち、従業員や年金受給者の利益のために、運用されなくてはなりません。企業年金は、自身によって資産運用を行うのではなく、専門の運用機関に運用委託することとされていますので、専らに受益者の利益のために、最善の運用機関を選び、選ばれた運用機関は、専らに受益者の利益のために、運用を行わねばなりません。これは法律の要請ですが、さて、現実はどうか。 年金基金
20150326 投資信託の販売が単なる手数料稼ぎに堕さないために 投資信託の販売については、顧客と金融機関との間に大きな情報量の差がある以上、顧客の利益にそぐわない営業が行われうる、これが金融庁の基本認識です。なかでも特に問題視されるのが、手数料や系列関係にとらわれた営業姿勢です。さて、投資信託は、金融機関の単なる手数料稼ぎなのか、そうでないことを証明するためには、何が、どう、是正されなくてはいけないのか。 投資信託 金利生活
20150319 企業年金と母体企業の不適切な関係 企業年金は、従業員の退職一時金の支払いや退職後の年金給付を行うための財源を確保する仕組みです。退職一時金や退職後年金は、現役時代の勤労に対する対価として、法律的に、給与の後払いとしての性格を認定されたものですから、その受益者の権利の裏付けとなる資産は、企業経営の支配の及ばないところで、科学的に推計された給付原資相当額を維持しつつ、適切に管理運用されなくてはいけません。さて、その実態はどうか。 年金基金