リレーションシップバンキング(Relationship Banking)

2017/08/10更新
事業を営めば、運転資金や設備投資資金が必要である。個々の具体的取引(トランザクション)に対する融資に対し、事業に対する融資は、事業者との関係性(リレーションシップ)に基づいて行われるので、リレーションシップバンキングといわれる。多くの場合、取引に関係する融資は、取引の売手が、買手に信用を供与する形であり、売手側は、与信するための資金が必要となる。銀行から事業者へのリレーションシップ融資、事業者から顧客へのトランザクション融資という形が一つの基本構造である。しかしながら、最近の金融構造の変化の代表例は、この事業者によるトランザクション融資資金の再調達方法にある。銀行等からの借入(リレーションシップバンキング)によらない、債権流動化による資本市場からの直接調達への急速な転換である。トランザクション融資は、モノに裏打ち(担保)され、高度に標準化され、小口大量で統計的リスク管理が有効に機能する、という流動化に適する要件を備える場合が多いことが背景にある。

2016/06/27更新
事業は連続的に生起する無数の取引の集合であり、事業に対する融資は、事業者との関係性(リレーションシップ)への融資である。このような本来の金融業の機能は、事業者との日常的な密接な関係に基礎を置いており、リレーションシップバンキングと呼び、銀行等金融機関の重要な社会的役割と位置づけられている。リレーションシップバンキングというのは、あえて、「バンキング」というカタカナを使うが、このカタカナの「バンキング」は、狭い融資業務ではない。「リレーションシップ」を大切にしても、「バンキング」に工夫を凝らさない限り、リレーションシップバンキングという社会的機能は果たしえない。

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