フィンテック(FinTech)
2017/08/10更新
金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、IT技術を使った新たな金融サービスのこと。融資においては、IT技術を用いて、膨大な外部情報を取り込み、人口知能の活用も含めて、その処理の高度化を図ることができる。債務者が積極的に個人情報を提供することで、債務者にとって有利に働く仕組みがあれば、情報保護についても問題とはならない。しかし、貸す側が債務者情報を大量に得ても、それだけでは情報は対称的ではない。借りる側でも、融資以外の代替方法も含めて、サービス供給側の情報を大量に得る必要がある。そして、それに基づいて、需要側が最適な方法を選択できるようにしてこそ、供給側と需要側との間の真の情報の対称性が成立し、この革新を可能にする点に、本質的な意味がある。決済についても、現在は、銀行等の預金を舞台に行われているが、フィンテックは、決済機能の分離を可能にする。預金には貯蓄機能しか残らないとすると、他の資産形成手段と比較したとき、著しく魅力度に劣ることは間違いなく、劇的に縮小してしまうおそれがある。資産形成は金融機能であり、預金がなくなっても金融の総体は変わらないかもしれないが、それを主力業務とする銀行等にとっては決定的な意味をもつ。融資の構造変化、即ち、融資から他の代替機能への転換とも連動して、「銀行」は不要になっていくのである。
2016/06/27更新
ITを利用した金融テクノロジーということで、ITの技術的側面や個人情報の保護法制の問題ばかり議論されるが、その本質は債務者が情報を提供する利益誘因にある。IT技術を用いて、膨大な外部情報を取り込み、人口知能の活用も含めて、その処理の高度化を図り、融資条件を決定することが、フィンテックの代表的な大きな一つの分野である。個人情報保護の問題も、原理的には、提供する側の合意があれば、保護から利用への道が開かれ、債務者が積極的に個人情報を提供することで、債務者にとって有利に働く仕組みがそれを可能にする