バリューとカタリスト

2017/08/09更新
バリューとは、価値のことだが、投資の世界では、バリューは価値そのものではなく、価格と価値の差(価格を上回る価値の部分)のことである。より基本的なことは、仮に適正価格、言い換えれば、バリューがない価格で資産を取得しても、投資収益はあり、バリュー投資とは、適正価格を下回るところで投資をして、適正価格で投資した場合の本源的収益を上回る追加的収益を挙げようとする試みである。カタリストとは、投資の世界で、バリューとの関連で比喩的に使われる用語である。このバリューが解消に向かう動きを科学反応に喩えた上で、その動きの「反応速度に影響する働きをする」ものを意味している。理屈上は、バリューはいずれ解消するが、投資の収益率にとって決定的な要素は時間である。時間を縮める働きをするのが、カタリストである。従って、有効なカタリストを得ることは、バリュー投資にとって、極めて重要なのである。

2016/07/19更新
バリューとは、資産の価格が資産の価値を下回っている部分のこと。カタリストという化学で触媒を意味する言葉を用いた比喩は、バリューが解消に向かう動きを化学反応に喩えた上で、その動きの「反応速度に影響する働きをする」ものを意味する。多角化の失敗を例にとると、バリュー解消の一つの道筋は、多角化事業の撤退であり、これはカタリストではなく、化学反応そのものを指し、撤退という経営の意思決定に働きかける作用素=適切な経営判断が、カタリストに該当する。結局、バリューはカタリストがないと実現せず、自律的にカタリストがでてくるような良い会社でも、バリューになる状況になる可能性とカタリストのないバリューに、どうしたらカタリストを作ることができるのかを検討することが重要である。

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