投資運用業者のベンチマーク

2016/12/01更新
金融庁が公表した2016事務年度の金融行政方針のなかで、投資運用業者のモニタリングを効果的に行うために、ベンチマークを策定するとしている。モニタリングの究極の目的は、運用の質を高めることなので、ベンチマークは運用の質を測定するものでなければならない。ベストプラクティスの追及について、その深度と成果を測定し、また、課題を発見して改善につなげるための経営指標であり、顧客が投資運用業者を選択するに際して、横断的比較が可能なように、指標が統一的に設定される必要がある。金融庁は顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の徹底を求めていることから、ベンチマークは、フィデューシャリー・デューティーの履行状況を客観的に測定するものとして策定されるはずである。要は顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の視点で、投資運用業界内に、健全なる競争が生じさえすれば、そして、その競争を通じて、資産運用の質が向上しさえすれば、それで、金融行政の目的は果たされということである。

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