毎月分配型
2017/06/15更新毎月分配型は、毎月一定の現金配当を行うように設計された投資信託で、日本では顧客の根強い人気があるとされ、非常に普及している。しかし、資金使途が遠い先にある長期積立投資においては、積立期間中の現金配当は必要ではなく、配当原資を内部留保して再投資する方が、複利効果が発生して顧客の利益になると考えられる。そこで、金融庁には、国民の安定的な資産形成の視点から、毎月分配型に否定的な見解があるとされる。
ただし、高齢者の資産については、長期積立の正反対で、中短期取崩しなので、毎月分配型こそ需要に応えている側面がある。実際、毎月分配型の主な使われ方は公的年金の補完であるとされている。しかしながら、毎月分配を可能にするために、高金利通貨や信用格付けの低い社債等への傾斜を強める傾向があり、結果的に元本の毀損を招く可能性を高めている場合も多い。毎月分配型は、顧客の関心を毎月の現金に惹きつけることで、背後の大きな投資リスクを隠蔽して、顧客を誤認させることもあり、また、より大きな深刻な問題として、高額な販売手数料や信託報酬の存在をも隠蔽してしまう面がある。