コンプライアンス(Compliance)

2017/12/14更新
コンプライアンスとは、日本語に置き換えると法令遵守であり、ここでいう法令には、法令だけではなく、それに準じた諸規範を広く含むことは論を待たない。要は、企業活動を営むうえで必ず従わなければならない客観的に確立された社会のルールの総体があって、それを厳格に遵守することを意味するので、コンプライアンスは最低基準、片仮名でいえばミニマムスタンダードともいわれる。 金融庁は、2017事務年度の金融行政方針を公表したが、そのなかで、新たなコンプライアンス分野への対応という項目をたてた。そこでは、従来の法令遵守を最低基準として自明視したうえで、「さらに、利用者の保護・利便や市場の公正性・透明性の確保に積極的に寄与することが重要であり、これは金融機関自身の企業価値やレピュテーションの維持・向上にも資するものといえる」と述べ、従来の最低基準の法令遵守としてのコンプライアンスを大きく拡張して、金融機関としての積極的な社会的価値創造を新たなコンプライアンスに位置付けた。最低基準だったコンプライアンスがベストプラクティスの追求まで一気に格上げとなったのである。

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