フィナンシャル・ジェロントロジー(Financial Gerontology)

2018/01/11更新
日本語では金融老年学。高齢化が投資家の行動に与える影響や、高齢者の個人金融資産の適切な管理・運用を研究するもの。長寿化が進む中、いつまで生きるかわからないという余命のリスクを考えると、長生きに備えて資産を取り崩すことができず、「幸せな老後」のための消費が抑制されるという問題を生じる。高齢者が安心して消費できる社会の実現は経済政策の面からも最重点の課題である。金融庁の2017事務年度金融行政方針で、初めて、この用語が登場し、勤労層を対象とした資産形成に加え、新たに退職者層を対象とした資産取り崩しという資産形成の反対方向へも金融政策の視野が広がった。安心を提供するためには、最低保障の下支えが不可欠であることから、新たな保険の社会的必要性が生まれると思われるが、ここでいう保険とは、従来型の保険会社の保険商品に限らず、高齢者の生活に適合できるように、複数の金融・非金融サービスを組み合わせて提供する動きなども含むであろう。

関連記事