間接金融、直接金融
2018/02/28更新間接金融とは、国民貯蓄が預金を経由して銀行等に集積され、それが融資の形態で産業界に還流する仕組みで、資金を借りる人と貸す人の間に第三者が存在するので、間接金融という。直接金融は、国民貯蓄が投資信託等を経由して資本市場に集積され、産業界が社債や株式を発行して、直接それを吸収する仕組みである。日本の高度経済成長を支えたのは零細な国民貯蓄を集積した間接金融の仕組みだったが、高度成長期が終わりを告げ、超成熟社会へと突入した今となっては、間接金融の仕組みは、仕組みが強力なだけに、運用先のない預金が巨額に銀行等に滞留し、その経営を圧迫するものとなっている。従って、金融行政としては、国民貯蓄の流れを抜本的に変えて、間接金融から直接金融へ主軸を移すことが課題となる。銀行等の預金取扱金融機関は預金に元本保証を付している関係で、その保証を確実なものにするために高度な資本規制を受けており、自己資本の範囲内でしかリスクをとれないという限界がある。これに対して、投資信託や社債、株式には元本保証がないので、そのリスクは金融界で負担されるのではなく、資本市場を通じて広く国民の貯蓄全体に拡散して吸収されるので、預金を原資とした資金、即ち間接金融の仕組みではとれないリスクも、投資信託等を原資にした資金ならば、とれるということであり、リスクテイクする力を強化して付加価値をつけるところに、直接金融の本質がある。