プッシュ型
2018/03/14更新金融機関による投資信託や保険の販売に関連して、2017年11月に公表された金融庁の行政方針に記述されたもの。第三者の観測という中立を装った記述ながら、金融庁の認識として、プッシュ型の営業に対する否定的見解と、それが広く金融界に行われていることへの懸念が表明されていることは間違いない。このプッシュ型という表現は、押し売り、押しつけ販売等の日本語を柔らかくしたものであることも間違いない。金融庁は顧客の需要について、「顧客のニーズ」と「顧客の真のニーズ」という二つを厳格に区別しており、顧客本位に顧客の需要を掘り起こすことは、プッシュ型ではなくて、コンサルティング型の営業として、別の言い方をすれば、真の需要を引き出すプル型の営業として推奨されている。この二つの違いは、観念的には明瞭で、顧客の判断について、それを金融機関の利益の方向で誘導するのが、プッシュ型、顧客の利益の方向で誘導するのがプル型であるが、その差は金融機関の主観的な意図に帰着するだけのことで、客観的判定は極めて困難といわざるを得ない。この主観的な意図の差を「見える化」する指標として導入されたのがKPIである。