問題事象の根本原因

2018/04/18更新
金融庁は、行政手法のあり方として、問題事象自体に対応をとるよりも、問題事象が発生してくる根本原因に遡って対応策を検討する姿勢を明瞭にしている。例えば、投資信託の毎月分配を問題事象としてとらえるときは、その根本原因が金融界の営業姿勢にあるとし、更に、その先の根本原因が国民の選好にあると考えるのである。金融庁の立場からすれば、国民の資産の安定的な成長を行政課題とするときには、国民の選好の合理性について問題提起することは使命であり、金融機関に対して、真の顧客の利益の視点にたって顧客を正しい方向に誘導するよう求めるのは当然である。ましてや、毎月分配に対する選好を利用することで顧客の真の利益に反して自己の利益を追求する行為を認めたときは、その是正を金融機関に強く求めざるを得ないということである。高齢者層が年金の補完として毎月分配を好むという背景については、金融機関は預金や保険などを含めた総合的なコンサルティングのなかで、一方で資産の保有と安定的増殖、他方で豊かな老後生活のための資産取り崩しを考慮した資産管理の提案をおこなえばよいことで、そもそも、投資信託という狭い領域だけで、しかもその商品設計の次元だけで最善の答えなど出るはずもないのである。

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