規制のサンドボックス(Regulatory Sandbox)

2018/07/18更新
イノベーションの成果を新たな付加価値の創出に繋げるためには、トライ&エラーを繰り返すことで規制改革のためのデータを取得する社会実証を積み重ねることが不可欠であることから、政府・公的機関等が革新的な新事業を育成するために、現行法の規制を一時的に停止する規制緩和策。世界各国で、第4次産業革命の新技術・新事業を自国に引き込むための国際競争が激化しており、日本においても早急に対応しなければ、新たな技術の社会実装に後れをとる事態となるということで、「規制のサンドボックス」制度の創設を含む「生産性向上特別措置法案」が成立した。例えば、仮想通貨については、通貨としての要件を充足せしめる技術、例えば、二重使用され得ないとか、使用履歴が改竄され得ないとかそうした高度な要件を実現する技術が開発され、その発行と流通が実行に移されたのみならず、社会的実験という次元を瞬く間に突破して、巨大な現実的存在となったころから、法律による規制をはじめ、全ての議論が出発しているわけである。このように、技術が先行して、利用目的が技術を追いかける展開は極めて異様であり、特に金融のように高度に規制されている領域ではこれまで考え得もしなかったことであり、背景には、この「規制のサンドボックス」という考え方があるわけである。規制当局としては、最初に規制することで革新の芽を摘むことのないように、あえて事態の推移を見守る姿勢をとってきたとういうことである。

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