家計規律
2018/08/29更新資産形成とは、一般化すれば、ある将来の資金使途のために、現在の所得の一部を取り除けて、資金を計画的に積立てることを意味するが、それは、将来の消費という資金使途を通じて、また、現在の消費を抑制することを通じて、生活に深く結びついている。故に、計画的な資産形成には、家計規律が必要なのである。例えば、住宅ローンの頭金の例でいえば、その頭金は家計規律によって所得の一部を取り除けておくことによって形成されるのであり、この頭金の形成における家計規律の習得があるからこそ、弁済のための家計の工夫ができるのである。仮に、住宅購入計画が変更になって、当面の使途のなくなった頭金の運用を検討するとしても、そこには、家計規律に基づくリスク管理が機能するのである。老後生活資金の形成においては、長期積立が重要なのだが、積立は半ば強制的に家計規律を働かせる仕組みであって、家計規律が働くからこそ、老後という遠い先まで消費されることのない資金の運用計画が長期の視点において立案でき、そこに合理的なリスクのもとで元本を増殖させる可能性が開けるからこそ、豊かな老後生活への期待も生じるのである。