養老保険

2020/09/09更新
戦後の日本の生命保険は、養老保険から始まった。養老保険とは、死亡保険金と満期保険金が同額になっている保険で、例えば、契約期間中に死亡すると100万円の保険金が支払われ、死亡せずに満期を迎えても100万円が支払われる。つまり、養老保険には貯蓄が抱き合わされていて、保険料には、死亡保障に要する危険保険料に加えて、100万円の貯蓄に向けての定期積金が含まれているのである。養老保険は、理屈上は、保険に貯蓄を抱き合わせたものだが、実際上は、貯蓄に保険を抱き合わせることで、生命保険の普及促進を図るための導入部の工夫だったのだと思われる。事実、その後、物価と所得の上昇に伴い、養老保険は、死亡保障額を満期保険金額の数十倍にした定期付き養老保険に姿を変え、貯蓄から保険に脱皮していくのである。

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